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2011 Fiscal Year Research-status Report

中小企業の環境経営を促進する有効な「環境コミュニケーションの場」に関する制度設計

Research Project

Project/Area Number 23510057
Research InstitutionKyoto Sangyo University

Principal Investigator

在間 敬子  京都産業大学, 経営学部, 教授 (70349182)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords環境コミュニケーション / 環境経営 / 中小企業 / 制度設計 / エージェントベースモデリング
Research Abstract

本研究では、「中小企業の環境経営」を促進するための有効な「環境コミュニケーションの場」について、ヒアリングやアンケート調査分析、および、エージェントベースモデリング(ABM)によるシミュレーション分析を通して、制度設計を行う。今年度は以下の4つを実施した。1.「中小企業の環境経営」および「エージェントベースモデリング」の既存研究の文献調査を実施した。その結果、中小企業の環境経営の実証分析では新たな知見はあまり追加されていないが、ABMでは「イノベーション普及」の分野で研究が進みモデル化の特徴も整理されていることがわかった。それを踏まえて、本研究で用いる基本モデルを作成し既存研究に対する位置づけを明らかにした。2.特色ある第二創業を「オスカー企業」として認定し経営支援を行う京都市の制度に着目し、環境ビジネスに取り組む中小企業にヒアリング調査を実施した。その結果、認定企業は、制度を生かして新たな事業展開を図る「自己推薦型」と、時代の流れを読み取り事業を展開する中で取引先銀行等から応募を要請された「他己推薦型」の2タイプがあり、環境ビジネスとして成功しているのは後者で、経営支援が役立ったと感じているのは前者であることを明らかにした。また、両タイプとも企業としての信頼性が向上したと感じているが、販路の課題を抱えている。3.中小企業の環境経営を推進する京都市のNPO、省エネを推進する豊田市、環境ビジネスを推進する飯田市・松山市・九州経済産業局にヒアリングを行った。その結果、九州経済産業局が実施する「エコ塾」が、特にユニークな環境コミュニケーションの場であることがわかった。特色ある中小企業の掘り起こし、きめ細かな対応などの特色がある。4.その他、顧客とのコミュニケーションから環境経営に取り組んだ経緯をもつ中小企業として光食品、アンケート調査会社の専門家に、それぞれインタビューを行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

やや遅れている事項とその理由として、以下の4つがある。1.今年度の最初に実施した、本研究と関連のある既存研究サーベイでは、イノベーション普及に関するエージェントベースモデリングの分野で研究が進んでいることがわかった。そのため、まずこの分野の研究論文を集め読み込んだ。サーベイから、本研究で作成するモデルでは中小企業と大企業の取引および大企業と顧客の取引という2つの市場を含むモデルが必要であるが、そのモデルは皆無であることがわかった。そこで、当初の予定を変更して、最初に、2つの市場を含むモデル・環境経営の普及を分析するモデルに必要な要素を抽出し、基本モデルを構築し、基本モデルのシミュレーション分析・感度分析まで実施した。研究成果を学会で発表した。これらは当初3年目(平成25年度)に実施予定であった。2.当初の研究計画では、調査対象とする地域として、京都市・京都府、滋賀県、三重県を挙げていた。しかし、2008年度のヒアリングで中小企業の環境経営ネットワークを構築していた三重県では、その後はメールで情報を流す活動が中心で、本研究対象には該当しないことがわかった。そこで、新たな調査対象を抽出するためのサーベイが必要で、時間を要した。新たに、飯田市・松山市・徳島県、北九州を候補として選定した。3.環境経営・環境ビジネスで優れた中小企業のヒアリング調査では、当初は約30社を選定する計画だったが、ABMモデル作成で時期がずれたため、10社に絞った。優れた企業だけでなく取り組みの遅れている企業や業種へのインタビューも不可欠であるが、それらの企業の選定やアポイントの方法が難しかった。4.中小企業の環境経営を支援する組織へのヒアリング調査では、ABMモデル作成で時期がずれたため、KES以外の環境マネジメントシステム認証機関、銀行、大手企業の抽出が遅れ、次年度にずれこむことになった。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度は、次の4つの事項の研究を実施する。1.中小企業へのヒアリング:(1)前年度に引き続き環境経営・環境ビジネスで優れた中小企業、および、(2)環境経営・環境ビジネスに取り組んでいない中小企業を、それぞれ取り上げ、「利用した(い)」「必要な」支援について聞き取る。ヒアリング先は、前年度に抽出した企業、近畿経済局や中小企業や中小企業基盤整備機構の報告書、京都市中小企業家同友会の企業から選ぶ。2.中小企業支援組織へのヒアリング:前年度に積み残した、KES以外の環境マネジメントシステム認証機関、銀行、業界団体を、いずれも関西を中心に抽出し、ヒアリング調査を実施する。また、パナソニック、GSユアサなど関西に本社を置きグリーンサプライチェーンマネジメントに取り組む大企業も抽出する。ヒアリング調査から、「どのような組織が場を提供できるか」を明らかにする。1および2については、4月~6月でヒアリング先の抽出およびアポイントを取り、7月~9月に調査を実施する。3.アンケート調査:中小企業を対象に「どのような支援・環境コミュニケーションの場であれば活用するか」を明らかにするためのアンケート調査を行う。ヒアリング調査を踏まえて調査票を作成する。実施にあたっては名簿購入・対象企業抽出・発送・回収について業者委託を行う。購入名簿データを研究室で保管することや、予算との関係で郵送で送付したものを調査員が回収にまわることが可能かも検討する。アンケート調査票を8月~9月に作成し、調査委託先の選定と調整は7月~10月に行う。アンケート調査は11月~12月に実施する。1月~3月で結果をまとめ分析する。4.前年度作成したエージェントベースモデルを改良し、2つの市場を含むイノベーション普及を分析できるモデルを確立する。8月~11月で改良を行い、12月~3月に、平成25年度へ向けて分析シナリオを作成する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度の交付申請額(直接経費)が800,000円、平成23年度の繰越金が475,481円で合計1,275,481円である。支出計画は、物品費が40,000円、旅費が60,000円、その他が1,175,481円(700,000円+繰越金475,481円)である。内訳は、以下のとおりである。1.旅費(60,000円)…(1)京都市・府の中小企業・大企業・中小企業支援組織へのヒアリング調査の交通費が15,000円 (15回×@1,000)、(2)大阪市・府の企業・NPOへのヒアリング調査の京都-大阪間の交通費が15,000円(10回×@1,500)、(3)学会発表(9月・早稲田大学)の東京-京都の交通費・日当が30,000円である。2.物品費(40,000円)…(1)USBメモリー(ヒアリング音声ファイルを保存しテープ起こし業者とのやり取りをするため)が20,000円(4個×@5,000(32GB))、(2)統計解析関連資料(アンケート調査の設計・分析のため)が20,000円(4個×@5,000)である。3.その他(1,175,481円、内475,481円は前年度より繰越金)…(1)テープ起こしの業務委託 (平成23年度2・3月ヒアリング実施分が172,040円(748分×@230)、(2)テープ起こしの業務委託(平成24年度実施分(前年度より実施がずれこむヒアリング分)が276,000円(1,200分×@230)、(3)アンケート調査の業務委託が727,441円で、この内訳は、企業データ購入or利用費が180,000円(3,000件×@60)、調査票印刷費が70,000円(700部×@100)、郵送費が280,000円(700部×@400)、データ入力費が197,441円(約400件)である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 中小企業の環境経営の普及に関するエージェントベースモデリング:方法と分析課題2012

    • Author(s)
      在間敬子
    • Journal Title

      進化経済学論集

      Volume: 第16集 Pages: 1-20

  • [Presentation] 中小企業の環境経営の普及に関するエージェントベースモデリング:方法と分析課題2012

    • Author(s)
      在間敬子
    • Organizer
      第16回進化経済学会大阪大会
    • Place of Presentation
      摂南大学
    • Year and Date
      2012年3月17日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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