2012 Fiscal Year Research-status Report
2つの新規ヒトAPエンドヌクレアーゼと新規ポリADPリボシル化酵素の機能
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23510059
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 新一郎 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (10400417)
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Keywords | DNA修復 / APエンドヌクレアーゼ / PARP1 / ポリADPリボシル化 |
Research Abstract |
ゲノムの安定性は様々な DNA修復機構とチェックポイント機構に支えられ維持されている。私はゲノムの安定性を支えるDNA二重鎖切断修復機構とDNA単鎖切断修復機構に関わるAPTX, PNK両タンパク質の持つFHA domainのバイオインフォマティクス解析から、新たに2つの新規DNA修復酵素PALFとAPNXを発見した。さらにPALFのプロテオーム解析から新規ポリADPリボシル化酵素NL-PARPを発見した。PALFはAPエンドヌクレアーゼの活性を持つこと(Kanno SI et al, EMBO J、2007)さらにPALFの酵素活性を詳細に調べたところDNA単鎖切断酵素活性もあることがわかった。(Li S, Kanno SI et al, J Biol Chem 2011)。また、APNXの機能解析でAPNXもAPエンドヌクレアーゼの活性を持ちnucleaseの活性をもつことがわかった。APNXの機能を解析する目的で定常発現細胞株を樹立しプロテオーム解析したところ、APNXはポリADPリボシル化酵素PARP1と1:1の結合比でヘテロダイマーを形成していること、APNXのsiRNAを用いたノックダウンでDNAの酸化損傷で活性化されるPARP1の活性化が起こらいことからPARP1の活性化にAPNXが必要なことが明らかになった。 一方、APNXリコンビナントタンパク質の精製でAPNXが何らかの修飾を受けることがわかっていたが、調べたところアセチル化されていることがわかった。この修飾化について解析したところ、この反応は自己アセチル化反応でありAPNXがエンドヌクレアーゼ活性とアセチルトランスフェラーゼ活性の2つの酵素活性をもつ dual functional e nzymeであることがわかった。現在このAPNXのアセチル基転移酵素活性の生理的な機能を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
APNXのAPエンドヌクレアーゼ活性に関するデータ、プロテオーム解析データ、生理的機能としてPARP1のDNA酸化損傷時の活性化に必要な因子であることが明らかになりこれらを論文にまとめる時期にきている。一方、APNXがアセチルトランスフェラーゼ活性も持つdual function enzymeであることも見いだしたが、アセチル化に関しては基本的な解析にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
APNXのAPエンドヌクレアーゼ活性に関する研究はほぼ終えており論文作成をする。また、細かな補足データをとる。APNXのアセチルトランスフェラーゼ活性に関しては、生理的機能を明らかにするために複数のsiRNAを用いてDNA修復経路におけるアセチル化の解析を行いAPNXとの関連について解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Possible involvement of LKB1-AMPK signaling in non-homologous end joining.2013
Author(s)
Ui A, Ogiwara H, Nakajima S, Kanno S, Watanabe R, Harata M, Okayama H, Harris CC, Yokota J, Yasui A, Kohno T.
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Journal Title
Oncogene
Volume: 15
Pages: 1-9
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Mutations in UVSSA cause UV-sensitive syndrome and destabilize ERCC6 in transcription-coupled DNA repair.2012
Author(s)
Zhang X, Horibata K, Saijo M, Ishigami C, Ukai A, Kanno S, Tahara H, Neilan EG, Honma M, Nohmi T, Yasui A, Tanaka K.
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Journal Title
Nat Genet.
Volume: 44(5)
Pages: 593-597
DOI
Peer Reviewed
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