2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23510065
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
立石 智 熊本大学, 発生医学研究所, 講師 (00227109)
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Keywords | Chk2 / Rad18 / がん / アポトーシス / 染色体異常 |
Research Abstract |
Chk2はがん抑制遺伝子であり、ヒトCHEK2のSNPであるCHEK2*1100delCをもつヒトは、乳がんなどの発がんリスクが約3倍高くなる。Chk2がどのような機構により、発がんを防御しているか解明することが重要であるが、全体像が明らかにされていない。Rad18は、DNA損傷に応答してPCNAをユビキチン化するユビキチンライゲースであり、損傷乗越え複製を制御して複製フォークを安定に保つ。Rad18-/-マウス細胞のDNAが傷害されると、Chk2がリン酸化され活性化する。このため、活性化したChk2の機能が、欠損したRad18の機能を相補していると考えられる。 Rad18とChk2の関係を調べるため、Chk2-/-Rad18-/- マウスを作成したところ、自然発がん頻度およびUV照射による皮膚がん形成率が高いことを、我々の研究室はこれまでの研究において明らかにしてきた。 Chk2とRad18 が連携した発がん防御の分子メカニズムを解析するために、WT、Rad18-/-、Chk2-/-またはChk2-/-Rad18-/-マウスから調整したES細胞を用いて、放射線またはUV照射後の生存率、アポトーシス、染色体異常頻度、組換え頻度などを測定した。その結果、活性化したChk2がDNA切断などの損傷を含む細胞を生体から排除する可能性が高いことがわかった。また、Chk2は、損傷をもつ細胞のSCE頻度を調節する作用はないと考えられる。以上の結果を踏まえて、DNAが損傷した際にRad18が機能しないと、複製フォークが不安定化しDNAの切断が起こることで、Chk2が活性化される。活性化したChk2は、異常なDNAを含む細胞が生体から排除することにより、発がんを抑制する作業仮説を立てた。
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[Journal Article] Two replication fork maintenance pathways fuse inverted repeats to rearrange chromosomes.2013
Author(s)
34. Hu, L., Kim, T. M., Son, M. Y., Kim, S. A., Holland, C. L., Tateishi, S., Kim, D. H., Yew, P. R., Montagna, C., Dumitrache, L. C., Hasty, P.
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Journal Title
Nature
Volume: 501
Pages: 569-572
DOI
Peer Reviewed
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