2012 Fiscal Year Research-status Report
新規のPCE完全脱塩素化菌の分解酵素精製及び汚染土壌修復中の群集構造解析
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23510086
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
チャン ヨンチョル 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30422025)
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Keywords | テトラクロロエチレン |
Research Abstract |
H24年度においては分解酵素の精製を行った。分解酵素であるPCEデハロゲナーゼを精製するため、DEAE-Toyopear1650、Superdexpg-75、PorosHQの順で精製を行ったが、完全な精製にまでは至らなかった。そのため、限外ろ過膜を用いて30kDa以下のバンドを除去し70kDa 付近の一本バンドの酵素を精製した。この精製酵素液を用いてPCEの分解に供した結果、微量ではあるがTCE とシス-ジクロロエチレン(cis-DCE)などの中間代謝産物が確認できた。一方、分子量20、30kDaの分画が混在した酵素溶液ではTCE とcis-DCEなどの中間代謝産物が確認できなくエテンの生成が確認できた。この結果からPCEの完全分解には二つ以上の酵素が関与していることが示唆された。現在、30kDaの分画の酵素を精製している。他方、モデル汚染土壌400gにPCE溶液を20mg/Lとなるように添加し、分解能を比較検討した。HK-1菌株を供しなかった条件に比べ60%のPCEが除去され、さらに、培地に様々な電子供与体を加え分解に及ぼす炭素源の影響を検討した結果、分解率の上昇が確認できた。また、主な分解産物はcis-DCEとエテンであった。一方、モデル汚染土壌からDNAを抽出し、16S rDNA領域のPCR増幅及びDGGE解析を行った。DNA抽出にはQIAGEN社のFast DNA SPIN Kit for Soilを使用した。抽出したDNAをテンプレートDNAとしてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に用いた。PCRではプライマー(341FGCと518R)を用いて16S rDNAの177bp領域のDNAを増幅した。これらのPCR産物をDGGEにより解析すると数本のバンドが得られた。今後、そのバンドを精製(5回DGGEを繰り返す)し、シークエンス解析及びBLAST検索を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H24年度研究目的である酵素の精製及びモデル汚染土壌を用いた分解実験について有用な結果が得られていること、また酵素の精製においても分解に関与するキー酵素群を特定していること、さらに群集構造解析に必要な実験方法の確立ができたことから研究は当初の計画に照らしてみておおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
酵素の精製に関しては、二つ以上の酵素が脱塩素化反応に関与していることから、さらに選択圧をかけながら精製を行うと同時に分解産物の同定を行う予定である。また、今後は長時間において汚染土壌中に有用菌を供給することによる群集構造の変化や分解産物の同定をDGGE bandのPCRを行ったあと、シークエンス解析及びBLAST検索を行う予定である。また、時間が許す限りモデル汚染土壌の群集構造解析については、低温域でのモニタリングも実施しバイオレメディエーションの実用化に必要な新たな情報を蓄積する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
微生物の群集構造の解析において当初予想したより試薬の消費量が多いことが予備実験の際に判明した。また、DNA sequencerを用いた塩基配列の解析の際にも予想より試薬の消費量も非常に多かったので、H24年度予算の一部をH25年度微生物の群集構造解析に使う必要がでてきた。そのため、残額はH25年度微生物の群集構造解析に必要な試薬の購入などに使う予定である。
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Research Products
(17 results)