2011 Fiscal Year Research-status Report
NaOH/グリコールを用いた臭素系難燃剤含有耐衝撃性ポリスチレンの脱臭素処理
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23510087
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
GRAUSE Guido 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (60570017)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 耐衝撃性ポリスチレン / デカブロモジフェニルエタン / 難燃剤 / ボールミル / 脱臭素 |
Research Abstract |
難燃剤によってデカブロモジフェニルエタン含有耐衝撃性ポリスチレン(HIPS/DDE)がNaOH/エチレングリコール(NaOH/EG)を使用して脱臭素された。フラスコを使用して、150~190℃での0.5 M NaOH/EG溶液中における反応は反応温度の上昇に伴い脱臭素率は上昇し、150℃では2.2%であった。190℃でNaOHを加えない場合、脱臭素は全く進行しなかった。NaOH濃度の上昇に伴い脱臭素率は上昇し、24 hで0.5 Mでは43%となった。また、NaOH濃度を1 Mまで上げてもほとんど変化しなかった。ボールミルを使用して、150~190℃での0.5 M NaOH/EG溶液中に反応は反応温度の上昇に伴い脱臭素率は上昇し、150℃では8%であった。190℃でNaOHを加えない場合、脱臭素は全く進行しなかった。NaOH濃度の上昇に伴い脱臭素率は上昇し、0.5 Mで98%に達した。しかし、1 Mでは脱臭素率は58%となり0.5 Mの場合と比べて大きく低下した。今回の脱臭素反応は溶液中のOH-により引き起こされているし、0.5 M NaOH/EG中にHIPS/DDEが含んでいるBrに対しOH-が18倍も存在していることが示唆された。これらの結果から、脱臭素はOH-により進行し、アルカリ濃度が高いほど脱臭素率は効果的に進行するが、ある一定の濃度以上になると脱臭素率は変化しないことが示唆された。フラスコ実験の場合と比較して、ボールミルの中で脱臭素率が飛躍的に上昇したことから、脱臭素においてボールミルが非常に有効であるということが示唆された。これは、高濃度のNaOH/EG溶液は粘度が高いため、ボールミルによる粉砕が効果的に行われなかったことが原因であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当年度の計画した実験は全て成就して、24 hで98%の高い脱臭素率を示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
活性化エネルギー、頻度因子、反応次数およびという反応動力のパラメータは決定を行う計画である。この目的のためには,エチレングリコール溶液中の臭化物イオン濃度と残留ポリマー中の残存臭化物組成を様々な反応時間と温度で同定する必要がある。臭化物イオン濃度はイオンクロマトグラフによって求めるが、低濃度の残留臭化物の組成分析のためにオートクレーブ中で高温でのポリマーの分解が必要である。固-液界面反応のための一般的な約20の反応次数で評価し,得られたパラメータは脱臭素化反応のモデル化ために使用して、モデルの精度を確認する。さらに、その残留ポリマーの化学的組成と構造及び特性を把握する。たとえば、ポリマーの熱安定性を確認するために熱重量測定を実施し,元の資料との比較検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した末使用額であり、平成24年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究の遂行する予定である。
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Research Products
(1 results)