2012 Fiscal Year Research-status Report
インターカレーションを利用したハイブリッドセラミックスへの重金属イオン固定化
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23510088
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三木 貴博 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30312606)
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Keywords | 環境保全技術 |
Research Abstract |
現在、最終廃棄物量が年間4800万トンにも達しており、大きな社会問題となっている。平野部が少ないわが国では、処分場の大半が内陸や山間部に立地しており、浸出水の漏洩による飲料水源の汚染を招きかねない。また、廃水処理には、キレート剤などの捕集剤を大量に用いているが、元素自体は無害化されておらず、捕集された有害元素は最終処分されるため完全に安全とはいえない。本提案では、有害元素を、粘土鉱物中にインターカレートし、粘土鉱物中に固定化する。本提案は、従来法と異なり特殊な物質を用いていないため、2次汚染の問題点はなく、安全性は高い。また、従来法は全て溶解度の原理を用いて除去を行っており、低減できる濃度に限界がある。本提案では、インターカレートにより除去するため、軽度に汚染された水にも適用できる。さらに、本提案はエンドオブパイプ技術だけでなく、汚染水を浄化できる環境修復技術でもある。 固定化のためには、スメクタイトなどの陽イオン交換容量(CEC)が大きい鉱物相に、効率よくインターカレートさせる必要がある。本実験では、様々な条件下における粘土鉱物への有害元素のインターカレーション効率を実験的に調査した。さらに、天然で採取できる土壌の影響についても調査を行った。その結果、効果的にインターカレートが可能な条件が明らかになり、さらに高効率で固定化可能なハイブリッドセラミックス作成の条件を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重金属固定化に関する基礎データを順調に得ており、研究の目的について概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
様々な粒径や配合比で混錬し、焼結温度、雰囲気を変えてハイブリッドセラミックス作製を試みる。炭素を配合して空気中での酸化除去や、PVA(ポリビニルアルコール)を配合し高温で蒸発除去により、セラミックスの表面積を大きくする方法についても調査・検討する。また、ハイブリッドセラミックスに固定した元素が、再び環境に放出されてしまっては、全く意味が無い。そのため、元素固定化の信頼性評価試験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、順調に実験を遂行でき、予想よりも研究費の使用を抑えることができた。次年度は、評価試験に研究費が多く必要となることが予想される。
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