2013 Fiscal Year Annual Research Report
担体-金属間相互作用を制御した排ガス浄化用貴金属触媒の開発
Project/Area Number |
23510089
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
加藤 純雄 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50233797)
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Keywords | NO還元 / パイロクロア型酸化物 / 貴金属触媒 |
Research Abstract |
平成23-24年度に得られた成果を踏まえ、パイロクロア型酸化物担体の組成について、Snサイトの影響を検討した。Snサイトを+4価イオンとなるZrなどで置換した担体を用いた触媒Rh/Ln2Sn2-xZrxO7(Ln=La,Nd,Y)を調製し、NO還元触媒活性評価等の解析を行なった。 Ln=Nd、x=1組成の場合、275℃で最も高いNO転化率(63%)を示し、x=0組成に比べ活性発現温度が低くなった。Ln=La,Yの場合、Zr置換量の増加に伴い最大NO転化率が減少し、活性発現温度が上昇することがわかった。これらの結果より担体のSnサイトを占有するイオンがNO還元活性の制御因子であることを明らかにした。 また、いずれの触媒においても、900℃で熱処理を行った触媒の場合、未処理の触媒に比べNO還元活性の発現温度が高くなった。また、Sn量が多い触媒で熱処理による活性の低下が抑制されることがわかった。H2-TPR測定の結果、Zr含有触媒で還元温度が高くなり、熱処理により還元温度が高くなった。以上の結果より、高温熱処理により触媒活性が低下した原因として、触媒担体表面に存在したRhが高温下で酸化物担体内部に固溶し、活性点となる金属Rhへの還元が困難となったことが考えられた。 本研究の結果、パイロクロア型酸化物担体の組成が担持金属種の固溶とそれに伴う還元特性の制御因子になること、アパタイト型ケイ酸塩担体においては表面の塩基特性が活性に影響を与えることが明らかとなり、排ガス浄化用貴金属触媒における、担体特性と活性金属種または反応ガス種との相互作用を考慮した設計指針につながる知見が得られた。
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Research Products
(2 results)