2013 Fiscal Year Annual Research Report
水質汚染物質の吸着・分解除去のための高性能活性炭の設計
Project/Area Number |
23510091
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
町田 基 千葉大学, 総合安全衛生管理機構, 教授 (30344964)
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Keywords | 環境修復技術 / 活性炭 / メソ孔 / 水質汚染 / 酸化・還元 / 酸性官能基 / 重金属 / 硝酸イオン |
Research Abstract |
活性炭(活性炭素)に発達している細孔構造と炭素表面の化学的特性を変化させることにより,有機汚染物質や重金属イオンをはじめとした水質汚染物質の吸着除去性能を向上させることを目標に実験的に検討をした。H24年度までの細孔径の制御,炭素表面への窒素・酸素・硫黄などのヘテロ元素の導入実験の結果をもとに活性炭のさらなる性能向上のための研究を進めた。 嵩高い分子の吸着量の向上および重金属イオンなどの吸着速度を向上させるためのメソ孔活性炭は種々の調製条件を検討した結果,生竹を原料として水酸化ナトリウムによる前処理をした後,塩化亜鉛やリン酸による賦活操作をすることにより,表面積が2000 m2/g,メソ孔容積が0.9 cm3/gといったこれまでに報告されていない性能のメソ孔活性炭の調製に成功した。嵩高い染料分子もこのメソ孔活性炭に吸着できることが確かめられた。表面の改質については硝酸やペルオキソ二硫酸アンモニウムにより過酷な条件で活性炭を酸化することにより酸素含有量を酸化前の5%から40%に増加させ,導入した酸性官能基によりカドミウム,鉛,ニッケルなど陽イオンの吸着容量を大幅に向上させることに成功した。しかし反面,活性炭の表面積が大きく減少し,活性炭を構成するグラファイト構造の崩壊がみられた。この方法を活性炭素繊維に適用した場合にも,繊維が粉化してしまうなど同様の現象が観察された。今後の課題として,活性炭の構造を維持しつつ効率的にカルボキシルキなどの重金属イオン吸着に有効な官能基を導入していくための酸化剤や酸化条件の探索が必要であることが明らかとなった。 硝酸イオンなどの陰イオンの吸着については,塩基性酸素官能基,アミノ基など塩基点が吸着に有効であることが予測されるので,水素還元処理,アンモニア処理などの還元法,あるいは酸化と還元の組み合わせなどを試み,陰イオン吸着点などを増加させる方法を探索中である。
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Research Products
(31 results)