2013 Fiscal Year Annual Research Report
不均一架橋構造を有する親水性イオン交換膜を用いた逆電気透析発電システムの開発
Project/Area Number |
23510097
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
遠藤 宣隆 山口大学, 理工学研究科, 助教 (40314819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比嘉 充 山口大学, 理工学研究科, 教授 (30241251)
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Keywords | 逆電気透析 / 海水濃度差発電 / イオン交換膜 |
Research Abstract |
市販の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を一対として交互に重ね、その間に溶液流路となるスペーサーで挟み、膜スタックとした。また、部品点数の削減によるセル作製およびメンテナンス作業の簡便化のため、膜とスペーサーを一体化させた一体型スペーサーを開発し、これによる膜スタックもあわせて作製した。これらのスタックを溶液を供給するエンドプレートで挟み、圧力をかけて保持した。スタック内には模擬海水として0.5M NaClを、模擬河川水として種々の濃度のNaCl溶液を流通させ、この濃度比をrで示した。エンドプレートには銀―塩化銀電極を配置し、電極溶液には3.0M NaCl溶液を通液した。測定した電流―電位(I-V)曲線から算出した最大出力密度Pmaxは、どちらのスタックもrの増加とともに増加し、最大値(約0.45 W/m2)を示した後、減少した。これはrが大きいほど濃度差が大きく、高い起電力を示し、出力が増大するためである。しかし最大値以降では、河川水の塩濃度を低下させることで濃度比を上げているため、河川水の溶液抵抗の増大が顕著となり、Pmaxは低下する。どちらのスタックもr=15-20近傍においてPmaxは最大となり、大きな性能の差は生じなかった。 また、市販の電気透析装置を改修した大型のRED発電セルでの発電試験も行った。大型セルのスタック対数は199対、有効膜面積は39.8 m2である。溶液のrの増加とともにOCVは増加した。同時にPmaxも増加し、r=14.3において最大値0.40 W/m2を示した後、減少し、小型セルと同様の挙動を示すことが確認された。この結果と小型セルの結果より、実用化レベルのREDシステムの発電性能を予測することが可能であることが判明した。
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