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2013 Fiscal Year Research-status Report

超多孔質磁性クライオゲルを用いた地下水砒素汚染への応用

Research Project

Project/Area Number 23510100
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

大榮 薫  宮崎大学, 工学部, 助教 (00315350)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 馬場 由成  宮崎大学, 工学部, 教授 (20039291)
Keywords砒素除去 / クライオゲル / ナノ粒子 / 砒酸イオン / 亜砒酸イオン / 超多孔体 / 磁性体
Research Abstract

本研究では毒性の高い無機砒素をターゲットとして地下水あるいは河川水から高速かつ高効率に除去できる高性能な砒素除去材の開発を行うことを目的としている。今年度は昨年度に引き続きポリアクリルアミドゲル(PAAm)の支持体にマグネタイトナノ粒子を高分散させたモノリス型クライオゲル(MCG)を合成し、As(V)の吸着特性をバッチ法およびカラム法により明らかにした。As(V)の吸着速度はマグネタイトナノ粒子を用いたときよりも遅かったことから、支持体であるPAAmの影響を受けることが明らかとなった。カラム法によるAs(V)の吸着特性を評価し、1 M 水酸化ナトリウム水溶液を用いることによってMCGの再生が可能であることを明らかにした。模擬砒素汚染水を用いてMCGの吸着挙動を検討し、As(III)に対して選択的な吸着が示されたため、実用化が期待される。
次にアルギン酸やセルロースなどの生体高分子を支持体としてマグネタイトナノ粒子を分散担持させた球状クライオゲル(MCGB)を調製した。アルギン酸のゲル化は一般にカルシウムイオンが用いられるが、本研究では鉄イオンを用いることにより高い砒素特性が示され、鉄イオンも砒素の吸着に関与することが示唆された。ジメチルアセトアミド/塩化リチウムを溶媒としてセルロースを溶解しセルロース濃度を2,5,10 wt%のそれぞれの濃度でMCGBを調製した。10 wt%が強度の最も高いビーズが得られたが、その形状は球状を保てず一部崩壊がみられた。これらの結果は、溶解時にセルロースが一部分解されたことを示唆した。今後セルロースを分解しない溶解条件と高濃度のセルロース溶液を調製可能な良溶媒の検討が必要である。アルギン酸MCGBを用いた模擬砒素汚染水からの吸着特性を詳細に検討した。アルギン酸MCGBは高い砒素除去特性を示したことから、MCGとともに実証試験を今後検討する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では毒性の高い無機砒素をターゲットとして地下水あるいは河川水から高速かつ高効率に除去できる高性能な砒素除去材の開発を行うことを目的としている。今年度は昨年度に引き続き磁性を有するモノリス型クライオゲル(MCG)を合成し、As(V)の吸着特性を明らかにした。アルギン酸やセルロースなどの生体高分子を支持体として用いた球状クライオゲル(MCGB)を合成し、砒素の吸着特性評価を詳細に検討した。得られた吸着特性と粒子径や支持体高分子の濃度との関係を明らかにし、MCGBの最適化を行った。アルギン酸MCGBは模擬砒素汚染水からの高い砒素除去特性をもつことが見出されたことから、MCGとともに実証試験を今後検討する予定である。

Strategy for Future Research Activity

本研究で得られた磁性クライオゲルを用いた砒素吸着実験の結果から、As(III)の吸着速度が速く高い砒素吸着性能が示された。この吸着材は砒素汚染地下水への応用が期待される。今後砒素汚染地域で採水した実試料による実証試験を行う。得られた結果から現地の砒素汚染水に適した小型除去フィルターの設計を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本研究で得られた球状磁性クライオゲルを用いた砒素吸着実験の結果から、吸着速度が速く、高い砒素吸着性能が示された。この結果からモノリス型磁性クライオゲル同様に砒素汚染地域での応用が期待されたため、モノリス型だけでなく球状の磁性クライオゲルの実用化を検討する上で砒素汚染地域の実試料の採水およびそれらを用いた実証試験を行うために次年度使用額が生じた。
砒素汚染地域での採水および実証試験等に必要な試薬およびガラス器具などの物品費や旅費に充てる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] マグネタイトによる砒素吸着平衡におよぼすイオン強度、温度の影響および吸着速度2014

    • Author(s)
      大榮薫、大島達也、馬場由成
    • Journal Title

      化学工学論文集

      Volume: 40 Pages: 91-97

    • DOI

      10.1252/kakoronbunshu.40.90

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] マグネタイト分散モノリス型クライオゲルの調製とそれを用いたヒ素除去2013

    • Author(s)
      徳丸恵、大榮薫、大島達也、馬場由成
    • Organizer
      日本イオン交換学会研究発表会
    • Place of Presentation
      東北大学
    • Year and Date
      20131017-20131018
  • [Presentation] モノリス型磁性クライオゲルを用いたヒ素除去技術の開発2013

    • Author(s)
      徳丸恵、大榮薫、大島達也、馬場由成
    • Organizer
      第50回化学関連支部合同九州大会
    • Place of Presentation
      北九州国際会議場
    • Year and Date
      20130706-20130706

URL: 

Published: 2015-05-28  

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