2012 Fiscal Year Research-status Report
バイオディーゼル燃料における化学的・物理的過程を考慮した分子構造・組成解析
Project/Area Number |
23510107
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑原 一成 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (00454554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益山 新樹 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30157218)
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Keywords | バイオディーゼル燃料 / 環境負荷低減技術 |
Research Abstract |
本研究では、代表的な脂肪酸メチルエステルの詳細化学反応計算・解析を実施するとともに、各種バイオディーゼル燃料の成分分析、急速圧縮装置およびディーゼルエンジンを用いた各種バイオディーゼル燃料および各種バイオディーゼルサロゲート燃料の着火性評価試験を実施する。これらの結果を総合的に評価することにより、化学過程と物理過程の両面を考慮したバイオディーゼル燃料の最適分子構造・組成設計への指針を提案することを目的とする。 平成23年度には飽和脂肪酸メチルエステル、平成24年度には不飽和脂肪酸メチルエステルの詳細化学反応計算・解析を実施した。その結果、以下の知見を得た。分子長さや分子内の二重結合は脂肪酸メチルエステルの着火遅れの温度依存性に影響をおよぼすが、脂肪酸メチルエステルは類似の分子構造を有するアルカン、アルケンに比べて本質的に短い着火遅れを示す。この脂肪酸メチルエステルの高着火性は分子内のカルボニル基により決定づけられている。これらの知見は、化学反応論的立場からバイオディーゼル燃料の最適分子構造を提案する上で極めて重要である。 平成23年度には急速圧縮装置およびディーゼルエンジンを用いた着火性評価装置をいったん構築したが、種々の不具合が判明したため、平成24年度には装置に改良を加え、当初研究計画より10か月程度遅れでようやく系統的な着火性評価試験を実施することが可能にになった。 随時、各種植物油からバイオディーゼル燃料を合成し、汎用ディーゼルエンジンに供給した際の運転状況と燃料成分分析結果の関係についてデータを取得している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
詳細化学反応計算・解析については当初研究計画の目的をほぼ達成することができた。しかしながら、着火性評価試験については以下の二点により当初研究計画より10か月程度の遅れが生じている。 (1)ヒーター加熱による着火性評価装置の実現が困難であったため、急速圧縮装置を用いた着火性評価装置に変更した。 (2)急速圧縮装置およびディーゼルエンジンを用いた着火性評価装置をいったん構築したが、種々の不具合が判明したため、装置に改良を加えた。
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Strategy for Future Research Activity |
詳細化学反応計算・解析はほぼ完了したため、今後は急速圧縮装置およびディーゼルエンジンを用いた着火性評価試験を重点的に実施し、当初研究計画の完遂を目指す。詳細化学反応計算・解析結果にもとづき試験条件を絞り込むことにより、着火性評価試験の遅れを取り戻すことが可能であると考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当年度交付金を実験実施のための物品費に充当させていただいた。結果的に着火性評価試験に遅れが生じ、当初予定の研究成果報告を取り止めたため、次年度使用額が発生した。 着火性評価装置の不具合は解消済みであり、次年度にも実験継続のために同程度の物品費が発生する。その上に研究成果報告のための旅費が発生するとなると、次年度使用額+次年度請求額の総額が必要であると考える。
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Research Products
(1 results)