2012 Fiscal Year Research-status Report
亜硝酸化生物反応と亜臨界水熱反応による高濃度窒素含有工業排水の処理技術の開発
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23510108
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
山崎 博人 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20300618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 正美 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (30043889)
根來 宗孝 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (80258152)
宮越 昭彦 旭川工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (10249724)
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Keywords | 高濃度アンモニア態窒素 / 固定化細菌 / バイオリアクタ / 亜臨界水熱反応 / 亜硝酸態窒素 / 工業排水処理 / 窒素除去 / 亜硝酸化細菌 |
Research Abstract |
[目的] 5,000 ppm以上の高濃度アンモニア態窒素(NH4-N)を含む工業排水を、固定化細菌(群)により酸化してNO2-のみを選択的に生成させる前段の生物処理と、生成したNO2-と未反応NH4+とを触媒の存在下、窒素ガスに変換する後段の水熱処理の併用で、NH4-N含有排水を無害化除去(完全消滅除去)するための新技術の開発が本研究の目的である。 [成果] 前段の亜硝酸化生物反応は、固定化担体の性質によるNH4+の除去速度の向上を期待して、含水ゲル状(KP、KP[F]、クラゲール、BCN)、スポンジ・ペレット状(APG、Quad-Cube、Bio-Tube、コルク)の合計8種にそれぞれ細菌を固定化し、亜硝酸化生物反応を行い、担体の優劣を検討した。含水ゲル状の担体ではKP[F]が最も良好で、NH4-N除去、NO2-N生成速度がそれぞれ-52.4、24.1 ppm/dを示した。そして、スポン ジ・ペレット状の担体では、コルクが最も良好で、NH4-N除去、NO2-N生成速度がそれぞれ-55.8、28.6 ppm/dを示した。 後段の水熱処理は、製作した回分式水熱反応装置を用い、無触媒下で、200°C未満の反応温度での完全分解反応(NH4+ + NO2- → N2 + 2H2O)を検討した。NH4-Nと亜硝酸態窒素(NO2-N)濃度は、前段の生物処理水から得られる濃度を想定し、1500、3000、5000ppmの高濃度で、試薬を用い、等モルに調整して反応を行った。反応温度は200、180、160、140°Cで行った。反応温度が 160~200°Cの場合、NH4-NとNO2-Nの初期濃度にかかわらず総除去率は 90%以上を示した。反応温度が140°Cの場合、初期濃度が 5,000ppmの条件下でのみ、総除去率が90%以上を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記載の通り、ほぼ順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ビーズクラッシャーにより含水ゲル上の固定化細菌(群)からDNAを抽出後、16S-rRNA遺伝子を対象とするPCR-DGGE法、FISH法などの遺伝子工学的手法を経て、菌種特定や生物学的安全面、生育分布、NO2-のみを生成する機構を調べ、その成果を最終年度の次年度に報告したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
固定化細菌(群)の含水ゲル上の生育分布を観察するための蛍光蛋白の合成費用、国外にて成果報告するのための出張旅費などとして、適切に使用する。
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Research Products
(5 results)