2012 Fiscal Year Research-status Report
高配向窒化鉄ナノマグネット集合体の形成とその極限磁力発現
Project/Area Number |
23510114
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
緒方 安伸 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教育研究支援者 (40509717)
|
Keywords | 磁性ナノ粒子 / 窒化鉄 / 配向制御 |
Research Abstract |
所望相である窒化鉄相が得られる最大粒径の見極めを意図し、今年度、マイクロメートルから数百ナノメートルの原料粉末に対し、還元反応と窒化反応を同時並行的に促進する合成するプロセスを適用した。さらに、マルテンサイト変態現象を促進し、所望相の獲得を目指した。 マイクロメートルサイズの原料では、比較的窒化反応を促進する条件において鉄格子間に窒素を含んだ面心立方(ガンマ)相の生成を確認したものの、過窒化相や未窒化相も同時に確認されておりガンマ相単相で得ることが難しかった。一方、数百ナノメートルサイズの原料では、上記と同じ還元・窒化反応において、わずかに未窒化相を残しているもののガンマ相ほぼ単相を得ることに成功した。この時、格子定数からガンマ相中に含まれる窒素濃度は8~9at.%と見積もられた。以上の結果から、所望相の窒化鉄相を得るための前駆体となるガンマ相の生成には、原料に最適な粒径があることが示唆され、マイクロメートル以下であることが分かった。また、ガンマ相ほぼ単相で得られた試料に対し、極低温下において外部磁場を最大で90kOeまで印加し、マルテンサイト変態を促進することで所望相の窒化鉄相の生成を試みた。詳細な磁化の値および結晶構造解析から、所望相の窒化鉄相の一部生成を確認したものの、ガンマ相の存在も確認しており、単相獲得には至らなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所望相の窒化鉄相を実現しつつ、粒径に対する相の安定性に関する知見を着実に得てきており、今後、バルク化、ならびに、熱安定性向上に対する知見の獲得が期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで得られたほぼ単相の所望相の窒化鉄試料を用いて、配向集合体の作製ならびにその配向評価方法の確立をする。また、継続して、粒径微細化技術や窒化鉄相の磁気特性の温度特性評価技術の構築を通して、熱安定性向上指針の獲得を図る。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
|