2011 Fiscal Year Research-status Report
金属微粒子の3次元自己配列を利用した高活性表面の創製および環境触媒への応用
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23510117
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Research Institution | Aichi University of Technology |
Principal Investigator |
松浦 寛 愛知工科大学, 工学部, 准教授 (50561411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 吉規 愛知工科大学, 工学部, 講師 (00387903)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 表面・界面物性 / ナノ加工 / 触媒 / 化学プロセス |
Research Abstract |
本研究は、金属微粒子の新しい3次元自己配列方法を開発し、特定の電磁波により活性化が可能な、ナノ・マイクロ表面構造の創製を目指したものであり、主に次の2点に重点を置き研究を進めている。(1)基板上へ金属微粒子を3次元で自己配列させる新しい方法を開拓する事。(2)前記3次元配列した金属微粒子を用い、電気化学反応を利用した環境触媒としての性能を確認する事。 これまでの研究実施状況の概要は以下の通りである。まず、上記(1)の金属微粒子の3次元自己配列を複数の手法により試み、続いて、得られた粒子配列を上記(2)の環境触媒へ応用する方向で研究を進めている。本研究は、微粒子の3次元配列メカニズムの解明に加え、環境触媒への応用として、ナノテク分野の一つの難しさである"実用化"を、達成しうる研究の1つとして大きな意義があると考えられる。 以下に、上記(1)微粒子の3次元自己配列に関する研究の進捗状況、および(2)電気化学反応を利用した触媒システムに関する研究の進捗状況の概要を記す。 まず、微粒子を3次元に自己配列させる方法として、複数の物理化学的および生物学的アプローチを模索・開拓している。物理化学的アプローチの一つとして、先鋭電極を利用した電磁力により溶液中の微粒子群を操作すると同時に、電子線を照射する事により溶液を電気化学反応的に固化させ、微粒子群を3次元配列させる方法を実現した。また、生物学的アプローチの一つとして、金属微粒子に対する吸着性に加え環境応答性をもつDNAを利用し、多様な形状を有する微粒子群の創製および観察に向け、溶液中におけるDNAの観測技術を確立した。 また、配列した微粒子群を利用し電気化学反応を誘起する触媒システムの開発に対しては、発信用電子回路を自作し反応用の適正信号を模索すると共に、実用化を見据えた容量をもつ電源を購入し触媒システムの中核部分を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、金属微粒子を3次元配列させ、その配列構造や配列メカニズムの解析等を行う予定であったが、近年ナノテク分野における、"実用化"へ向けた取り組みの重要性が増している事から解析を後回しとし、配列した微粒子の電気化学的活性を利用した触媒システムの構築を優先した為、実際の計画よりもやや遅れていると考えている。特に、バイオ的手法を利用した微粒子の配列方法の開拓にも着手した事も遅れの要因である事から、今後は物理化学的手法による微粒子配列方法の開発に注力する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、物理化学的アプローチに基づく金属微粒子の3次元配列手法の開発および改良に注力すると共に、この粒子配列を利用した触媒システムの完成および触媒効率の実験等を実施し、ナノテク由来の実用化技術の確立に全力を投じる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度における研究予算は、主に、触媒効率の実験用リアクターや蒸着器の作製に必要な部品および加工費として使用する予定である。また、微粒子配列の実験に向けたセラミック基板や有機溶媒、あるいは触媒粒子ならびにコロイド溶液の購入や補充に使用すると共に、触媒システムの完成に向け、ステンレス配管やシリコンチューブ、二酸化炭素ならびに窒素ガス等の消耗品の補充に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)