2012 Fiscal Year Research-status Report
金属微粒子の3次元自己配列を利用した高活性表面の創製および環境触媒への応用
Project/Area Number |
23510117
|
Research Institution | Aichi University of Technology |
Principal Investigator |
松浦 寛 愛知工科大学, 工学部, 准教授 (50561411)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 吉規 愛知工科大学, 工学部, 講師 (00387903)
|
Keywords | 表面活性の創製 / 電磁相互作用 / センシング / 触媒 / 化学プロセス |
Research Abstract |
H24年度における研究は、本研究テーマに基づき、昨年から進めてきた研究対象を以下の3つに分類し平行して遂行してきた。(1)ナノ・マイクロ表面構造の創製 (2)電磁相互作用による表面の活性化(3)活性表面上の触媒反応による反応ガスのセンシング 上記3項目は、(1)表面を創製し、(2)この表面を電磁相互作用により活性化し、(3)活性化により誘起された触媒反応をセンシングする、という一連の研究対象であり、本研究のサブテーマである、“環境応答性を有する微粒子の3次元配列メカニズムの解明” に加え、環境触媒への応用として新しい触媒システムの構築および実用化を目指した研究の1つとして大きな意義があると考えている。 現時点における、上記3項目に対する進捗状況は以下の通りである。 (1)まず、ナノ・マイクロ表面構造の創製に関しては、時間的に変化する3次元表面構造の創製を目指して取り組んでおり、マイクロガラス球および金属微粒子を分散させたガラス球を用いた実験では、10(の4乗)個程度の規模において、途中経過としての目標を達成する事ができた。 (2)また、電磁相互作用による表面の活性化に関しては、上記(1)で作製している微粒子群と有意な相互作用による活性化を実現し、触媒効率の向上および新しい反応プロセスを開拓する為、複数の信号発生器を自作(一部購入)する事により、多方面からの実験が行える環境を整える事ができた。 (3)の活性表面からの反応ガスのセンシングに関しては、トンネル電流等の量子効果が検出可能な高感度なセンサーを作製し、分子吸着およびバイオ分子の3次元吸着に起因する信号を検出できる(と推定できる)検出器を作製した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の中核をなす以下の3項目の研究に関しては、十分満足と言えないまでも、大きな遅れはなく、予想よりも比較的順調に実験環境を整備する事ができている。 (1)ナノ・マイクロ表面構造の創製 (2)電磁相互作用による上記表面の活性化 (3)活性表面上の触媒反応による反応ガスのセンシング しかし、本研究のサブテーマに掲げていた、“環境応答型3次元表面の創製メカニズム”に関しては、幾つかの実験データからメカニズムに関し、推測はできるのだが、理論的な証明が困難である事から、このサブテーマに対しては、期間内に達成する事は困難であると考えている(ただし、自分に課した研究対象として今後も継続する予定である)。 また、3ヵ年計画である事を考えると、2年が過ぎた現時点において、理想的には最低1つは論文を受理・公開されていなければならない事から、やや遅れいていると感じている。ただ、現在論文1報の執筆および投稿を終え審査段階に入っている為、年内にはこの遅れを取り戻す事ができると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究において、主軸となる以下の3項目の研究に関しては、実験環境が整いつつある為、今後は装置開発や環境整備にかける時間および費用の比率を下げ、実験および論文執筆に注力する予定である。 (1) ナノ・マイクロ表面構造の創製 (2) 電磁相互作用による上記表面の活性化(3) 活性表面上の触媒反応による反応ガスのセンシング 上記(1)~(3)のテーマは、それぞれ深遠かつ終わりのない困難な研究対象であり、いずれか1つのテーマに絞る方が研究効率は良いはずである。しかし、本研究の最終ゴールである、“ナノテクを利用した環境触媒への応用”を実現する為には、上記3つの技術の融合が不可欠である事から、今後も上記3項目それぞれに関し研究を進めると共に、それらを融合する事により、本研究の最終ゴールを目指す予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する研究費は、主に以下の様に分類している。 (1)マイクロガラス球や金属微粒子創製に必要な消耗品の購入 (2)表面活性機器を作製するための電子部品の購入 (3)触媒システムの構築に必要なガラス製品の作製および備品購入 (4)成果発表用資金(論文、学会発表、および打ち合わせ用の費用) 本年度は表面創製に関し多方面からの実験を行った為、上記(2)の表面活性用機器を作る為の電子部品の購入に費用をあてたが、この方面(2)の準備が整いつつある為、今年度は、再度(1)の環境応答性表面の創製に向けた実験に注力する予定である。この際、既存の微粒子に加え、微粒子を作製するための金属片や有機溶媒の購入を進める予定である。そして、各実験が一区切りつく各段階で論文の執筆および学会発表等を随時行う予定である。
|
Research Products
(1 results)