2013 Fiscal Year Research-status Report
熱刺激により生成する金ナノ粒子を用いる高感度ナノプローブの創製
Project/Area Number |
23510123
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
上原 伸夫 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50203469)
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Keywords | 熱応答性高分子 / 金ナノ粒子 / 免疫センサー |
Research Abstract |
本研究は「熱応答性高分子を被覆した金ナノ粒子の融合現象」に関して,その原理を化学的に解明し,さらにその原理に基づいて生体関連分子の計測プローブの開発を目指すものである。当然のことながら,この原理に基づいて設計,開発されたナノプローブには,これまでにない機能の発現が期待される。 24年度末までの成果として,金ナノ粒子の融合現象についてはそのメカニズムをほぼ解明することができた。この過程において,システインの添加により金ナノ粒子に起因する新たなプラズモンバンドが発現することを見出した。また,これとは別に,免疫プローブとしてアビジンをAnalyteとした熱応答性免疫センサーを開発した。このセンサーのアビジンに対する感度は数百n mol/Lであった。 以上の成果を受けて,研究の最終年度にあたる25年度は主に以下の三点を行った。まず,金ナノ粒子の融合現象については,メカニズムをJ. Phys. Chem. Cに発表した。金ナノ粒子にシステインを添加する系では,金ナノ粒子が発光性を発現することを発見した。このような現象はこれまで知られておらず,新たな研究の芽と考えている。免疫プローブについては,センサーの高感度化を図るために,金ナノ粒子の代わりに蛍光分子を添加する系を検討した。その結果,蛍光検出において,アビジンの応答範囲を10^-11 mol/Lから10^8 mol/Lとする感度向上と応答範囲の拡大を達成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最大の目的である金ナノ粒子融合現象についてその原理を解明し,成果を論文発表することができた。また,その派生で,システインによる金ナノ粒子の発蛍光性の発現という新たな機能を発見することができた。 また,免疫センサーについては,10^-11 mol/Lという当初の目標を超える感度を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度が最終年度でありまとめの年にあたる。従って,本研究としては一旦終了する。しかしながら,新たな研究の芽を見つけることが出来たので,新たな研究を展開する予定です。(科研費Bに申請したが不採択であった。) 今年度は,別予算を工面して研究を継続し,27年度に再申請する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果を26年度中に論文投稿として発表する。このための費用として繰越す。 英文校閲の費用に充当する。
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