2011 Fiscal Year Research-status Report
ガウシアン形状振動子を用いた単一細胞レベル極限センシング
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23510126
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| Research Institution | Niigata University |
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Principal Investigator |
安部 隆 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00333857)
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| Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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| Keywords | 水晶振動子 / QCMセンサ / MEMS / 微粒子 / 単一細胞 |
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| Research Abstract |
初年度の目的は、有限要素法の解析結果を参考にして質量検出能をさらに向上させるためのナノテクQCMの再設計を行なうことである。さらに、接する媒体の物理的性質も考慮した上で、試作したQCMの特性評価を実施することも初年度の計画である。まず、有限要素法の結果を参考に、結晶軸のx軸方向を長軸とする楕円形状の立体的な振動子を作製した。振動子の品質の評価の指標としてQ値（安定性に関わる因子）を用いた。電極だけを楕円にしたものでは８％のQ値の向上が見られた。一方、厚さ方向での立体的な形状（レンズ形状）を合わせ持つ振動子では、３０％の向上が見られ板厚変化による立体形状の効果の方が高いことが数値で示された。次に、研究実施計画に従い、薄板化（高周波化）による高感度化と肉厚分布形成による高安定化の両方の長所を有する逆メサ型のレンズ形状振動子を作製し評価した。本作製では、二重マスクを用いることで一度のドライエッチング加工で水晶に両構造を作り込む新しい製造工程を考案した。さらに、作製した振動子について、接する媒体の違いと形状に依存したQ値の違いを明示することができた。以上の新考案の工程と本構造を有するQCMの特性の評価結果は、センサ分野で著名な国際会議Transducers 11に投稿し採択された。また、当該分野で知られている国際ジャーナルにも掲載が決定している。このように、QCMに使用できる振動子の最適化において成果をあげるとともに研究を効率的に進めることができる新しい作製工程も考案することができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
QCM用として供する振動子の効率的生産法を考案するという新しい進展があったが、一方で最適化の実験ではガウシアン形状を付け加えるあと一歩の追加実験が時間がなくできなかったので本評価とした。
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| Strategy for Future Research Activity |
提案した研究計画に従って、まず、前年度に最適化したQCMを微小流路中に固定したセルを顕微鏡下で用意する。細胞モデルであるリポソームを積極的に固定できるように、QCMの流路上方に、負の誘電泳動力でリポソームを捕足するための電極を形成した計測システムを用意する。次に、最適化したQCMについて微粒子への応答特性を評価する。単一微粒子について系統的に評価した研究例はほとんどなく、本評価試験は優先的に行わなければならない。最終的に本評価試験では微粒子吸着部を限定的に高感度としたガウシアン振動子を用いている予定である。その研究を効率的に進めるためにはガウシアン形状振動子の製造法の簡略化も重要でありその方法を検討する。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は以下の合計１２０万円（＋２６０６円）で予定している。内訳は、センサ作製と評価のための試薬、ガス代として３０万円、観察システム代に４０万円、国内学会（第２９回センサ・マイクロマシンと応用システム,、北九州）と国際会議（IEEE SENSORS 2012、台湾)における研究調査と成果発表に２５万円、試料作製等の研究補助費に１０万円、その他（上述の学会参加費など）に１５万円を予定している。なお、前年度の残額の２６０６円は試薬代の一部として使用する。当該研究費が生じた状況は、試薬代など材料費は為替や資材の高騰などの変動要素があり計画どうりにぴったりゼロにすることが困難なためである。本経費により、次のステップである観察システムに投資するとともに前年度の研究過程で見いだした研究成果を発表する。また、目的を同じくする研究や本研究の遂行に役立つ研究が発表されていないかなど当該分野の動向についても情報収集に努める。
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