2011 Fiscal Year Research-status Report
ナノファイバーから構成される芳香族ポリアミド多孔質体の構造および機能制御
Project/Area Number |
23510137
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Research Institution | Industrial Research Institute of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
吉岡 弥生 大阪府立産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (00359407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅尾 勝哉 大阪府立産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (00359374)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ナノファイバー / 芳香族ポリアミド |
Research Abstract |
近年、ナノレベルで構造が制御された高分子多孔質体は、新たな機能性材料の1つとして注目されている。このような多孔質体においては、高分子自体が本来有する特性以外に、これらから形成されるナノレベルの孔なども重要な材料特性の1つとなっている。そこで本研究では、沈澱重合法により、モノマーからワンステップでポリマー多孔質体を作製した。得られた多孔質体は芳香族ポリアミドのナノファイバー(ファイバー径:50~100nm)が密接に絡み合った構造体である。その特性においては、約500°Cの熱分解温度を示すとともに、一部の溶媒(硫酸やN-メチルピロリドンなど)にしか溶けないなど、優れた耐熱性および耐薬品性を示した。また、これらのファイバー径やモルフォロジーは、用いた反応溶媒組成やモノマー濃度によって大きく変化するほか、精製段階で用いる溶媒や乾燥条件によってもその比表面積などが変化することが分かった。一方、本反応はモノマーから重合が進むにつれてゲル状態を形成することなどからも、ナノファイバーおよび多孔質体の形成においては分子間相互作用や分子と溶媒との親和性が大きく関与しているものと考えられる。これらの反応および形成メカニズムについては、次年度以降、様々な手法を用いることにより分子レベルからの解明に取り組む。なお、本調製手法は、ナノ・サブミクロンサイズの微粒子の作製にも応用できることから、これらの形成メカニズムなどとも比較しながら、研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の初年度計画としては、(1)多孔質体の作製および(2)モルフォロジー制御について主に研究を進めることとしていた。これらについては、研究実績の概要でも記入したように、生成物と作製条件についてある程度の系統だったデータを得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
生成物および反応メカニズムに関する分子レベルからの構造解明などについては、これまでの研究過程より、当初想定していた以上に複雑なファクターがからみ合っており、その解明が困難であることが明らかとなってきた。このようなことから、次年度以降は様々な手法を用いながら、生成物のみならず、反応過程や乾燥過程などにおける構造変化などについても追跡して行く予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に繰り越して使用する予定の研究費はない。当初の申請どおり、試薬、実験用器具、分析用消耗品、成果発表代、旅費等で使用予定である。
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Research Products
(7 results)