2013 Fiscal Year Annual Research Report
半導体プロセスによる極狭スリット細胞分離マイクロ流路形成と単一細胞分離構造の融合
Project/Area Number |
23510141
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松谷 晃宏 東京工業大学, 技術部, 技術職員 (40397047)
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Keywords | マイクロバイオシステム / 半導体プロセス技術 |
Research Abstract |
細胞分析技術において,従来の生化学的技術ではコロニーなどの集団での分析であり,多くの細胞から得られる平均値のみを情報として得ていた。しかし,個々の細菌細胞の振る舞いは異なるため細胞毎に研究する必要がある。これまでに,単一の細菌細胞を分離する技術として2次元配列されたマイクロピラーを囲いとして用い,大腸菌細胞を囲い中に捕獲し単一分離することに成功した。また,マイクロ流路などの他の要素技術との融合など,大きさが異なる複数の細菌細胞を単一分離することが必須となる。本研究では,リソグラフィやドライエッチングなどの半導体プロセスを駆使することにより,サブミクロンサイズのマイクロピラー構造を任意のマトリックス状に並べ,単一細胞操作の基礎的実験を行いその実現を目指した。 平成23年度は,気液分離の極狭スリットマイクロ流路の形成に取り組み,本研究で開発したAr/F2気相エッチングのプロセスを用いて製作した流路幅1~15マイクロメートル程度のSiの2段の極狭スリットマイクロ流路により大腸菌の輸送に成功した。平成24年度は,2次元マイクロピラーアレイ構造を用いたマイクロ囲いでサイズ分離チップを製作し,ポリスチレンビーズを用いて原理の有効性を確認後,大腸菌と酵母の単一分離とサイズ分離を同時に実現することに成功した。平成25年度は,このマイクロ囲いアレイのチップを用いて,単一分離した酵母の培養に成功した。また,Arプラズマと石英パターン基板を用いてマイクロレンズアレイを製作した。このマイクロレンズへ裏面からレーザのコリメート光を照射して集光スポットを観測し,細胞搬送ための光ピンセット機能応用への基礎技術となることを確認した。 本研究により半導体プロセスによる極狭スリット細胞分離マイクロ流路形成と単一細胞分離構造の融合への基礎技術が確立された。本研究の成果は,単一細胞の分析技術へ広く応用が期待される。
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Research Products
(4 results)