2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23510145
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 主岳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20361644)
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Keywords | 微小ポンプ / 電気化学ポンプ / アクチュエータ / 高分子ゲル / エネルギー変換素子 / 酸化還元 |
Research Abstract |
銅イオンを内包したポリアクリル酸ゲルによる微小電気化学ゲルポンプの基礎特性評価および動作特性の改善を行った。また、エネルギー分散型X線分光法(EDS)により、ゲル内における銅の分布を評価した。 これまでに、ポンプの動作初期に排水量が電気量により制御できない問題を、金管の3-メルカプト-1-プロパンスルホン酸による修飾でゲルとの摩擦を軽減することによって解決した。また、電気量当たりの還元時における排水量と、酸化時における吸入量とが一致しない場合があったため、それまでに垂直に保持していたポンプを水平に設置し、ゲルの膨潤収縮に与える重力の影響の緩和することで、この問題の改善を行った。しかし、特に酸化時における吸水量がその前の還元時の排水量に比べて少なくなることがあった。これは、還元時に膨潤したゲルは再酸化により収縮するが、この時元の位置に戻らず、吸排水口側へ移動してしまうためと考えられた。そこで、リザーバ側へのゲルの膨潤を抑止するために設置してある金メッシュへゲルの一端を固定し、膨潤収縮に伴うゲルの移動の抑止を試みた。その結果、–1.1 V vs. Ag/AgCl (還元)と+0.8 V(酸化)の電位規制法によりポンプを駆動させると、吸排水量は共に3.5 ulとなり、吸排水量を一致させることができた。EDSによる銅の分布の評価では、円柱状ゲルの直径方向において、電解前の状態では表面(金管)近くでは銅の含有率が3.2%であり、中心部と、表面と中心の中間部では3.9%であった。一方、–1.1 V (還元)と+0.8 V(酸化)でそれぞれ3時間定電位電解を行った後では、表面部で含有率が4.1%と高くなり、中心部と中間部ではそれぞれ3.1および2.9%と低くなった。この結果は電解により銅の分布が初期状態とは変化し、電極(金管)方向へ物質移動していることを示している。
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Research Products
(11 results)