2012 Fiscal Year Research-status Report
コアシェルナノ粒子の結晶配向合体による量子ドット超格子構造体の作製
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23510151
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
上原 雅人 独立行政法人産業技術総合研究所, 生産計測技術研究センター, 主任研究員 (10304742)
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Keywords | ナノ粒子 / 粒子合体 / 電子顕微鏡 / 電子線トモグラフィー |
Research Abstract |
本年度は、コアシェルナノ粒子の結晶配向合体による量子ドット構造体の組織制御を行うための、コアシェルナノ粒子の形態制御を行った。コアとなるCuInS2ナノ粒子についてこれまでは直径約5nm以上での形態制御が可能であった。しかし結晶配向合体が生ずるためには更に小さいサイズのナノ粒子が必要と考えた。本年度、原料溶液組成や合成温度等を検討した結果、直径約3nmで均一なCuInS2ナノ粒子を合成することができた。また、これに伴い、ZnSシェルの被覆条件も検討した。高分解能電子顕微鏡および電子線トモグラフィーによる3次元的形態および原子配列等の構造解析により、現在、層厚1nm以下の被覆を達成していると推察される。量子閉じ込めと量子ドット構造体の母相の結晶性を高めるために、更に厚く被覆する必要があり、現在、検討中である。 昨年度の研究成果について、サンフランシスコ(米国)で開催されたMaterials Research Societyで発表を行い、透過電顕での解析やナノ粒子の構造制御について、海外の多くの研究者と議論することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コアシェルナノ粒子の基本的な合成方法は確立している。本研究課題でキーとなるナノ粒子の結晶配向合体が生じやすくなるような、コアシェルの形態制御範囲を拡張する必要あり、来年度早い段階での合成条件の最適化を達成する。
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Strategy for Future Research Activity |
コアシェルナノ粒子の形態制御、特にシェル厚制御について条件を最適化する。条件を確立した後に、量子ドット内包ナノロッドの合成とその自己組織化の条件を探索する。また、ナノ粒子の表面構造の環境依存性について引き続き議論するために、透過電顕等を用いて、熱処理による形態変化を解析する。ナノ粒子の表面構造を調査するために、電子線トモグラフィにより3次元形状をフォローしつつ、同時に格子像観察によって結晶学的な議論を行う。様々な条件下で合体させた試料について構造解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
コアシェルナノ粒子の合成とその配向合体やナノロッドの組織化に関する実験や観察等に必要な試薬や観察用支持膜、器具の購入に使用する。また、本年度の成果を学会で発表する予定であり、旅費や参加に使用する。
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Research Products
(4 results)