2013 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子機能予測における数理工学指向アルゴリズムの開発
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23510152
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
施 建明 東京理科大学, 経営学部, 教授 (70287465)
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Keywords | 分数和計画問題 / 数理最適化 / アルゴリズム / 遺伝子機能予測 / 主要組織適合抗原(MHC)クラスII |
Research Abstract |
完治が困難ながんをはじめとして, エイズ, 薬剤耐性菌感染症など, 多くの病気に対してワクチンによる発病予防への期待が大きい. ワクチンの開発においては, 主要組織適合抗原(MHC)クラスII におけるペプチド結合予測が極めて重要な課題である. ペプチド結合予測においては. その他に様々なヒューリスティック方法が提案されているが, 数理最適化分野の観点から, 既存の予測方法は, いずれも予測の精度と計算時間の効率性の両面で, 質の高いものとは言い難い. そこで, 本研究では, これらの予測に使われている数理モデルを分数和計画問題として一般化し, その問題を解くアルゴリズムを提案する. 具体的にはワクチン開発における重要な問題である主要組織適合抗原(MHC)クラスII におけるペプチド結合予測の中核はEntropyの最大化問題を分数和計画の最適化問題に帰着できる. 本研究では,線形分数和計画の最適化問題に対して,等価な非凸の最適化問題に帰着させ,その非凸最適化問題を線形緩和を用いて,分子限定法を適用することにより, 効率のよいアルゴリズムを提案した. 具体的に, box制約の下に, 分数和最適化問題の等価問題から出来た特種の二次関数に対する精度の高い線形緩和を構築した. 計算機実験では提案したアルゴリズムの計算時間は平均で既存方法の12% しかかからない. 分数の個数が60であっも平均で, 約14分(CPU time)で最適解を得られる.
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Research Products
(4 results)