2013 Fiscal Year Research-status Report
リスク・マネジメントに対応したサプライ・チェイン最適化モデルの構築
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23510162
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
久保 幹雄 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (60225191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 和博 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (00450677)
渡部 大輔 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (30435771)
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Keywords | サプライ・チェイン / リスク管理 / 最適化 / 人道支援ロジスティクス / 災害対策 / 減災 |
Research Abstract |
世界経済のグローバル化および国際分業の進展に伴い,国際物流はますます活発化している.そのため,生産から小売までの流通過程全体のさらなる効率化のために,サプライ・チェイン・マネジメントが進められている.このサプライ・チェインにおいて,自然災害や人為的災害を原因とする途絶による影響が問題となっている。このような,国際的なサプライ・チェインにおける様々な不確実性に対応するために,リスクマネジメントに対応した安全かつ効率的なサプライ・チェインの管理手法の開発が求められている。 本研究では,地震災害を想定した定量的なリスク指標を目的関数にした施設配置モデルを構築した.事例として,三陸地方での水産流通における最適配置と輸送環境評価を行った.また、国際的なリスク要因として懸念されているソマリア周辺海域での海賊活動に対して空間解析を行った。具体的には2005年から2013年までの海賊事案を地図上に示し、集計分析とカーネル密度推定法による空間平滑化を行うことで、海賊出没位置の推移について分析を行った. 人道支援ロジスティクスにおける最適化モデルに対して、確率的な事象を扱うことのできる汎用的な手法を構築した.具体的には、2段階の確率計画法を用い,災害の前に行う準備活動・予防活動と,災害発生後に行う応答活動とを自然にモデル化できる数理計画モデルを構築した.また,それらのモデルを安全在庫配置ロジスティクス設計モデルに適用し,その特性に関する知見を得るための数値実験を実施した.また、輸送環境の悪化具合を測定する試みとして、位置情報と加速度センサーを用いて走行する乗用車の衝撃度を計測する実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人道支援ロジスティクスにおける最適化モデルに対して、確率的な事象を扱うことのできる汎用的な手法を構築し,その性能評価を行った. また,開発した施設配置モデルを用いて,水産流通における最適施設配置と輸送環境評価に関する研究を行った。三陸海岸を対象とした広域的な視点からの加工・流通施設の最適な配置とそのプロセスについて、代表的な施設配置モデルを用いて検討した。また、輸送環境の悪化具合を測定する試みとして、位置情報と加速度センサーを用いて走行する乗用車の衝撃度を計測する実験を行った. また、国際的なリスク要因として懸念されているソマリア周辺海域での海賊活動に対して空間解析を行った. 得られた研究成果は国際会議やセミナーで研究者及び実務家に対して発表している.
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Strategy for Future Research Activity |
国内での様々な事例を分析し,モデルの性能評価を実施する.また,非専門家でも容易に使うことの出来るインターフェースの改良に取り組む.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外で成果報告を行う予定であったが,受け入れ先の大学の研究者と日程調整がつかなかったため. 仁川大学,シンガポール国立大学,ポルト大学へ行き,成果の報告を行う.
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