2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23510164
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
應 江黔 岐阜大学, 地域科学部, 准教授 (30242738)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 交通・土地利用均衡モデル / 時間価値 / 交通混雑 / 外部性 / 最適化 |
Research Abstract |
本研究は、交通ネットワーク均衡モデルと立地の都市経済学モデルに基づき、土地利用と交通政策設定のための最適化手法を開発することが目的である。立地市場と交通均衡の制約の下で、立地コスト、交通時間コスト等の指標を最適化する数理的手法を開発する。今年度は、以下の研究成果が得られた。1.雇用先が決まっている場合、住宅立地と通勤経路選択の均衡モデルの中に、現実的な時間価値を処理できるネットワーク均衡の最適化法を開発した。交通時間の価値は、家計の消費選好や交通時間の長さに非線形的に依存する。欧州などでは、その現実な近似として、収入クラスや移動距離による変動を考慮した交通時間価値の算定が、交通政策の評価などで推奨されている。本年度は、収入クラス別、(最短)移動距離の関数としての時間価値を考慮したモデルの最適化手法を開発した。この成果について論文を纏めている。2.中京圏の都市に対して、人口、商業、産業分布データの収集整理を行い、GIS(地理情報システム)を用いて体系的な表現ができるようになった。また、中京圏の鉄道システムと都市圏構造(居住・就業)の関係について、調査分析を行った。中京圏の交通と土地利用のモデルの作成の準備ができた。3.高度な並列計算ができるGPUを備えた計算機を購入し、プログラミングの実装を行った。実際規模の都市圏ネットワークに対する最適計算を可能にした。4.科学技術の進歩がもたらし得る交通の環境負荷の変化を正確に把握するため、太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及が地域と交通に及ぼす影響の調査分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の達成に向け、現実応用可能性と理論の両方から優先度の高い事項が着実に進んでいる。計算環境の整備やデータの整備も着実に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
都市経済学における普遍性の高い知見をできるだけ取り入れ、確実な理論体系に基づく手法を開発していく。また、実証研究を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額の356円は、平成24年度の研究費と合わせて、資料の購入に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)