2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23510164
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
應 江黔 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (30242738)
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Keywords | 土地利用 / 交通ネットワーク / 混雑料金 / 容積率 / 最適化 |
Research Abstract |
本研究は、交通ネットワーク均衡モデルと立地の都市経済学モデルに基づき、土地利用と交通政策設定のための最適化手法を開発することが目的である。土地利用に関しては、主に都市空間における人口密度・建築密度などの制限・誘導のための容積率規制や課税・補助などの政策、交通に関しては主に料金体系に関する政策を具体的な設計変数としている。研究の最終年度では、主に容積率規制などについて多面的な考察を行い、容積率と交通料金を同時に最適化する方法の開発を進めた。研究期間全体を通じて、以下の成果を得ている。 1. 収入クラス、移動距離によって異なる時間価値を考慮した住宅立地と通勤経路選択の均衡モデルの最適化手法を開発した。また、住宅市場と都市計画規制などが分析できる計算手法を開発した。これらの成果は、交通ネットワーク均衡理論の範疇を拡張させ、単純な空間を仮定して展開されてきた都市経済学の理論を具体的なネットワーク構造を有する都市への適用を推進させたものである。 2. Pigou税や補助金による外部性の内部化を通じ、土地利用や交通の最適化を図る経済理論について、具体的なネットワーク構造を有するモデルにおいて理論的検証を行い、最適化手法との比較分析を行った。経済学の原理を単純に応用する政策より、定量的最適化によって得られる政策の柔軟性と優位性を示した。 3. 中京圏の都市に対して、交通条件、人口密度、地価、インフラ整備状況、商業・サービス業の状況などと居住立地の関係についての実態分析を行い、一定の示唆が得られた。しかし、当初目指した実証計算による政策提言には至っていない。 土地利用に関する都市計画規制などの評価は都市形成のプロセスにも依存すること、太陽光発電などの技術が土地利用に強い影響を及ぼすことなど、考慮すべき要素がなお多い。今後はこのような要素の取り扱いも検討し、研究を継続していく予定である。
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Research Products
(1 results)