2011 Fiscal Year Research-status Report
先端最適化技術活用による信頼性と実用性向上を目指した非線形性組み込みDEAの構築
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23510165
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
関谷 和之 静岡大学, 工学部, 教授 (60256667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
施 建明 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70287465)
福山 博文 福岡大学, 商学部, 教授 (80218958)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | オペレーションズリサーチ / DEA / 経営効率性分析 / 数理計画 |
Research Abstract |
DEAではLPが武器であるが両刃の剣でもある。LPで閉ざされたことで生じる効率値の数値と質への信頼性、さらに改善目標の実用性に関わる問題点が、それぞれ以下のように指摘されている。(a)入出力と効率値間の非線形関係に対する強引な線形化もしくは安直な数値計算 (b)複数最適解による隠れた分析結果の存在と効率性尺度に関わる公理系の破たん(c)改善目標として最も実現困難なものを選択ネットワークDEAではモデルの複雑化とDEA多段階利用により、上記3つの問題点は特に根深い。H23年度では問題点(a)と(c)の解決のために生産可能集合の効率的面の列挙、最短距離DEAに対する公理論的アプローチに取り組み、問題点(b)の解決のためにDEAで最も普及しているモデルに対する単調性の組み込みを研究した。さらに、ネットワークDEAに対してその特徴である中間財とそのリンク条件の存在が効率値に対して奇妙な現象を引き起こすことを発見し、その原因を解明した。これらの研究成果を国内外の学術雑誌に投稿し、また学会で発表した。特に、最短距離DEAにおいて未解決であった効率値の単調性に関する公開問題を否定的に解決し、そのモデル改変によることで単調性保証を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度では効率性尺度の公理系と非線形計画法および整数計画法に関する文献調査を進めるともに非線形性を組み込んだ効率性尺度を実用性の高い公理系と数値計算の容易性の観点から選定した。さらに、実データを数種類収集し、それらのデータを用いて数値実験により計算精度を検証した。これらの調査・検討・実験から、線形性にとらわれない効率性尺度の提案とその効率値算出法の構築した。研究計画当初では2次錐計画法に注目していたが、整数計画による面列挙、凸包生成のオープンソース利用により、DEAで扱う問題に対して十分な計算精度と計算効率を得られることを確認した。そのため、2次錐計画法を利用せずに、面列挙後に凸計画法を繰り返し適用する効率値計算アプローチを中心に研究を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
面列挙後に凸計画法を繰り返し適用する効率値計算アプローチにより、未解決問題を解決する効率性尺度の存在とその構成の研究を進める。さらに、経済データを利用し、開発したDEAモデルの有効性を検証し、その特徴を解明する。H23年度に得たいくつかの研究成果を広く公開し、国際的な研究ユニットの育成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
面列挙計算用に高性能のWSを購入を計画していたが、手持ちのPCでも稼働する整数計画法のソフトウェアの性能向上とオープンソースの利用が可能であったので、今年度の購入計画を中止した。一方で、H23年度の得た研究成果は国際的にも注目されているので、H24年度は研究分担者である福山博文氏にDEA国際シンポジウムで発表をすることとした。そのため、WS購入予定金額とその他で経常した別刷り代金を主にして、福山博文氏の渡航費とWeber教授招聘費用に充てることにする。
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