2011 Fiscal Year Research-status Report
大規模人工市場シミュレーションによる金融市場のシステミックリスク分析
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23510167
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松井 啓之 京都大学, 経営学研究科, 准教授 (90272682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 功 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (00304551)
森 直樹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90295717)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | U-Mart / 仮想市場 / マルチエージェント / シミュレーション / 金融市場 / システミックリスク |
Research Abstract |
本課題ではリーマンショックやギリシャ危機などに見られる金融市場における大規模な価格の暴落を市場システムと取引戦略との複合系における創発的特性によるシステムとしてのリスク(システミックリスク)と捉え、このリスクについて市場制度の忠実なモデル化を行っている人工市場システムU-Martを多銘柄システムに拡張し、キャンパスグリッドやスーパーコンピュータなどを活用したエージェントベースドシミュレーションにより、その特性を明らかにしようとするものである。さらに、人間をプレイヤーとするゲーミングシミュレーションを並行して実施することにより、行動経済学および実験経済学の知見を踏まえ、実際に人間が取り得る行動を観察することで、エージェントベースドシミュレーションの分析を補完する。 平成 23 年度には、人工市場システムの拡張を中心に研究を実施し、多銘柄至上および様々な金融制度の実装を可能としたU-Mart Ver.4システムの開発を行い、キャンパスグリッドやスーパーコンピュータなどを活用したエージェントベースドシミュレーションへの対応を概ね済ませた。さらに、9月に大規模なヒューマン実験(U-Mart 21011)を開催し、ゲーミングを用いて実際に人間がプレイした状況での問題発見過程から得られた知見をU-Mart Ver.4システムの開発へ活かすことが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成 23 年度には、人工市場システムの拡張を中心に研究を実施することに対して、多銘柄至上および様々な金融制度の実装を可能としたU-Mart Ver.4システムの開発を行い、キャンパスグリッドやスーパーコンピュータなどを活用したエージェントベースドシミュレーションへの対応を概ね済ませた。 さらに、9月に大規模なヒューマン実験を実施し、ゲーミングを用いて実際に人間がプレイした状況での問題発見過程から得られた知見をU-Mart Ver.4システムの開発へ活かすことが出来たことから、表記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、U-Mart Ver.4システムの完成へ向け、安定化と処理性能の改善、ゲーミング実験を踏まえたヒューマンインターフェイスの改良など引き続き保守を進めるとともに、システムを公開し内外の研究者に提供するための多言語対応やマニュアル等の整備などの文書化を進める。 そして、本年度は構築されたシステムを用いて取引エージェントの進化的手法による開発を本格化させる。取引エージェントは利益追求の取引機会の検出、金融資産リスクの評価とポートフォリオへの分散投資、価格急変時のリスク回避のためのポートフォリオ調整など、実際の証券取引における行動戦略に配慮し、利益追求など自明でない部分で進化的手法を利用することでシミュレーションにおけるエージェント構成の妥当性を追及する。 進化的手法としては、これまでの申請者の研究の蓄積から、遺伝的プログラミングや多目的遺伝的アルゴリズムなどの枠組みを選んで適用する。進化的計算には手元のパーソナルコンピュータのほか、必要に応じて東京工業大学の TSUBAME、京都大学の T2K スーパーコンピュータなども活用する。 また、比較的単純な取引戦略を持つエージェント群を並行して構成し、エージェントの組成などを調整しながら、大規模エージェントシミュレーション実施の準備とシミュレーションによる市場の基本的特性の解明を進める。さらに、多銘柄版市場システムについては、実際にシステムを利用しながらゲーミングの設計を進める
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
概ね完成したU-Mart Ver.4システムを用い、東京工業大学の TSUBAME、京都大学の T2K スーパーコンピュータなども活用し、システミックリスク分析へ向けたシミュレーションを中心に実施するため、計算機使用料およびシミュレーション結果保存用のストレージを予算計上している。 さらに、研究打ち合わせのための旅費、ゲーミングシミュレーション実験のための謝金等を計上している。
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Research Products
(3 results)