2013 Fiscal Year Annual Research Report
生産計画とスケジューリングに対する漸進的アプローチ
Project/Area Number |
23510172
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森川 克己 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10200396)
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Keywords | 生産計画 / スケジューリング / 人間 / 数理モデル |
Research Abstract |
製造企業の生産性をより高めることを目指し,生産計画やスケジューリングの計画技法の高度化を進めるとともに,現状を少しずつよりよい姿へ変えていくという視点の提案,計画管理業務における人間系の考慮,そして研究成果の現場への展開に資する情報伝達を研究目的としていた. まず現状を少しずつ望ましい姿に導く取り組みの支援として,受注生産企業が見込み生産を部分的に取り入れてリードタイム短縮を目指す環境を対象に選んだ.最終年度では生産品種切り替え時の段取り作業の存在を明示的に考慮し,現場での運用・管理の容易さと計画の見通しの立てやすさに配慮した周期的な切り替え方策の導入を提案し,見込み生産導入の効果や留意事項を実験的に明らかにした.このアプローチをスケジューリングレベルまで具体化することを視野に入れた場合,技法の高度化も検討課題の1つとなる. 2工程生産システムで各工程を担当する人が情報交換して計画を立案する枠組みを前年度まで検討してきたが,最終年度では類似した考え方をスケジューリングに適用し,相手側には見えにくい情報をお互いに補い合うことで手続きの複雑さを減らすという発想に基づく近似最適化手法を開発し,解の改善が実現できる場合のあることを実験的に確認した. 学術研究成果を整理してウェブを介して伝える取り組みは,地場の加工食品製造企業数社が開催している研究会で情報収集ができることを踏まえ,最終年度には食品の生産計画に対象を絞って各種論文や雑誌記事を収集してその一部を整理し掲載した.次の分野として使用済み回収製品の分解作業を選び,先行研究の整理とともに需要と歩留まりが不確実な環境での近似最適化手法の開発を試みた.今後は紹介する分野や内容を充実させるとともに情報収集ツールを構築してニーズ調査に展開していく予定である.
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