2013 Fiscal Year Annual Research Report
アジア・太平洋地域におけるハイブリッド生産/再生産システムに関する研究
Project/Area Number |
23510175
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
開沼 泰隆 首都大学東京, システムデザイン学部, 准教授 (90204312)
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Keywords | ロジスティクス / クローズド・ループ・サプライ・チェーン |
Research Abstract |
平成25年度は、平成24年度まで検討してきたクローズド・ループ・サプライ・チェーン(CLSC)におけるグレードの低下を考慮したハイブリッド生産/再生産システムの解析及び評価を実施した.具体的には,クローズド・ループ・サプライ・チェーンにおけるグレードの低下を考慮したハイブリッド・生産/再生産システムのシミュレーションによるシステムの評価を行った.本モデルでは2国間のCLSCを想定しており,第1国を日本,第2国をタイと設定して,日本で回収された製品の一部は,日本国内のコンテナに保管された後に,タイへと輸送され,タイで回収された製品とともに,分解・検査の工程を経て,リユース部品として使用されることを仮定した. 目的関数は,2国の税引き後利益の合計とし,税引き後利益を求めるためには,税引き前利益を示す必要がある.各国の税引き前利益は,売り上げから各拠点や輸送にかかる費用を引いた値で示すことが出来る.各費用のうち,日本からタイへの回収品の輸送に関わる費用については,受け取り側であるタイが負担することとした.シミュレーションによる解析結果より,環境にやさしいリユースであるカスケード・リユースの考えを組み込み提案したモデルにおいて,2国間の税引き後利益の合計への循環率の影響について考察した.数値実験の結果より,循環率の値により税引き後利益は影響を受け,特に回収率との組み合わせにより,大きな影響が発生することが分かった. 以上の結果より,CLSCモデルにおけるグレードの低下を考慮したカスケード・ハイブリッド・生産/再生産システムは,国内だけではなくアジア・太平洋地域でも有効であることが明らかになった.これらの研究成果は、公益社団法人日本経営工学会及び経営システム学会全国大会で発表する予定であり,さらに論文としてまとめ投稿する準備をしている。
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Research Products
(7 results)