2012 Fiscal Year Research-status Report
ファジィランダム変数係数を含む階層型多目的計画問題に対する対話型意思決定手法
Project/Area Number |
23510176
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
矢野 均 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (00166563)
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Keywords | 階層構造 / 多目的計画 / ファジィランダム変数 / パレート最適解 / 対話型アルゴリズム |
Research Abstract |
平成24年度は、主に、ファジィランダム変数係数を含む「階層型」多目的線形計画問題に対する対話型意思決定手法について、研究を行った。すなわち、階層構造にある複数の意思決定者が、それぞれの多目的関数を有する場合に対して、各意思決定者の目的関数に対する選好構造のみならず、意思決定者間の階層性を反映した満足解を導出するための対話型満足化手法の開発を行った。意思決定者間の階層性に関しては、決定力係数の概念を導入することにより、上位レベル意思決定者の選好が下位レベル意思決定者の選好に優先する定式化を行い、一方、各意思決定者が各自の基準メンバシップ値を主観的に設定することにより、対応するパレート最適解を求めるためのミニマックス問題を定式化した。ファジィランダム変数係数を含む階層型多目的線形計画問題を取り扱い可能な問題として定式化する際に、数多くのパラメータを各意思決定者が前もって適切に設定することが必要となる。提案手法では、確率最大化モデルにおける許容目的レベルと満足基準最適化モデルにおける許容確率レベルに対するファジィ目標をそれぞれメンバシップ関数により設定した後、ファジィ決定(最小オペレータ)に基づく統合メンバシップ関数を最大化することにより、「自動的に」、適切なパラメータ値が設定される。統合メンバーシップ関数空間上で定義されるパレート最適解集合の中から、各意思決定者の階層性のみならず各目的関数に対する選好を反映した満足解が導出される。また、ファジィランダム変数間に共分散がない場合と共分散がある場合について、それぞれ考察し、対応する対話型アルゴリズムを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究成果は、多目的確率計画問題に対する対話型意思決定手法に関する研究(Proceedings of 2012 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics,日本経営工学会論文誌, Proceedings of International Conference of Engineers and Computer Scientist 2012, Springer),階層型多目的確率計画問題に対する対話型意思決定手法に関する研究(IAENG International Journal of Applied Mathematics, World Scientific), ファジィランダム多目的計画問題に対する意思決定手法(Proceedings of The 6th International Conference on Soft Computing and Intelligent Systems and 13th International Symposium on Advanced Intelligent Systems, Hindawi Publishing Corp., Proceedings of 4th International Joint Conference on Computational Intelligence, 電子情報通信学会論文誌)である。すなわち、関連テーマに関する査読付き論文8本、著書2本、および、学会発表2本であり、十分な成果があったものと考えている。また、国際会議International Conference of Engineers and Computer Scientist 2012において、2012年IAENG論文賞を受賞した。
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Strategy for Future Research Activity |
ファジィランダム変数係数を含む(階層型)多目的線形計画問題に対する対話型アルゴリズムに対するコンピュータ・プログラムの開発と現実システムへの応用例の適用を検討する。Excelソルバーでの変数制限に対処するため、商用最適化ソフトウェア(What's Best!)を購入し、VBAマクロにより対話型コンピュータプログラムを以下のそれぞれの場合に対応して作成する。1) 共分散を考慮する場合としない場合における多目的確率計画問題、2) 共分散を考慮する場合としない場合におけるファジィランダム多目的計画問題 、3) 共分散を考慮する場合としない場合における階層型多目的確率計画問題、4) 共分散を考慮する場合としない場合における階層型ファジィランダム多目的計画問題。次に、現実の農業計画問題やポートフォリオ選択問題、および、食品スーパーの購入問題等現実の意思決定問題を、多目的確率計画問題、ファジィランダム多目的計画問題、階層型多目的確率計画問題、階層型ファジィランダム多目的計画問題として定式化する。さらに、これらの問題に対して、VBAマクロにより作成された対話型コンピュータプログラムに適用して、検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1. デスクトップパソコン購入 2.Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics (JACIII)論文掲載料 3.国内出張(広島大学大学院 工学研究科 システムサイバネティクス専攻)費用
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Research Products
(13 results)