2013 Fiscal Year Annual Research Report
公共的施設の立地問題に対する社会的意思決定に関する研究
| Project/Area Number |
23510184
|
|---|
| Research Institution | Tokyo University of Science |
|---|
Principal Investigator |
梅澤 正史 東京理科大学, 経営学部, 准教授 (20361305)
|
|---|
| Keywords | 社会工学 / 意思決定 / ゲーム理論 / 社会選択 |
|---|
| Research Abstract |
効率性かつ「操作不可能性」を満たすメカニズムについては、他の研究者によって区間上のモデルにおいて結果が報告された。そのため、最終年度に実施した研究としては、公共財の数を３つ（または３つ以上）としたケース、木構造ネットワークに拡張したケースについて分析を行った。前者のケースについては問題が複雑になったため、限定的な結果しか得られなかった。後者については、効率性を満たす十分条件までが得られた。その一方で、私的財に関する研究を進めることで比較を行おうと考え、分析を進めた。これは昨年度後半から少しずつ取り組んだものである。その結果、供与メカニズムに関してより一般的な契約ルールについて均衡を与えることができた。この均衡結果は、公共施設供給を考える上でも考え方として役立つと考えることができる。
研究期間全体を通じて、施設の立地問題を社会的選択モデルを利用して分析した。社会の構成員の選好を考慮し、それに基づいた立地のルール、制度、メカニズムといったものを解明することをねらいとして研究を進めた。特に、社会的な効率性、取り巻く環境の変化への対応、民意を正確に汲み取ることができるメカニズムの構築、を主たる考慮点とした。得られた研究結果の主要部分は以下のようにまとめられる。木構造をしたネットワーク的状況かつ公共的施設（公共財）の数が２の場合において、効率性と連帯責任性を満たす選択ルールの存在不可能性を示すことができた。これまでこの分野では区間上でのモデルや施設数が1のモデルについて研究成果が得られているが、それらに対する発展的な成果と言える。また、形状をスター型に限定した木構造ネットワーク上で、各人の選好を限定した場合には、効率性と連帯責任性を満たすような社会的選択ルールが存在することを確認した。また、そのうちの１つのルールについて、ルールの特徴付けを行うことができた。
|
Research Products
(2 results)
