2012 Fiscal Year Research-status Report
組織行動と組織の健全性診断システム実用化モデルの開発
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23510198
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小山 富士雄 東京工業大学, 大学マネジメントセンター, 特任教授 (50436565)
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Keywords | 組織の健全性診断 / リスク管理 / リスクセンス / 安全管理 |
Research Abstract |
平成20年度から3年間にわたり開発を進め、その有効性が確認された「組織の健全性自己診断システム」について実証を行い、その有効性を確認するとともに、組織の健全性向上のために属している構成員のリスクセンス向上のための教育手法やレベルの判定手法の開発、更には事務部門や医療部門等に適用の可能性の拡張について研究を進めた。 平成24年度は、前年度に研究協力者とともに開発した「リスクセンス検定」という手法を併用し、この手法に関心を示した大手化学会社2社で実際に診断と検定を行い、従来の安全や品質管理の手法では限界が見られた組織のリスク管理や危機管理の分野での組織の3階層(経営層、中間管理職、第一線実務者)の階層に応じたレベル向上に向けての具体的な試行が行われ、成果の確認とともに全組織への展開が進められている。 この手法はその他各種の製造業でも関心を示すところが現れている。この手法は沿い増行のみならず、事務部門での業務のリスク管理に応用できるのではとの視点で展開が進み、銀行やシステム、オフィス管理等への適用すべく、具体的な手法開発に向けて研究を進めている。 又、福島原発事故において、組織の健全診断の視点から解析を進め、想定外の事態発生においても致命的な事故に至らないためには、組織の健全性の面でのあるべき姿を研究するとともに、減災は可能だったかの視点でも研究を行った。 これらの研究成果は年2回の公開シンポジウムで公表した。このシンポジウムにはこの分野の研究者、企業の経営者も多数参加し、社会から注目を集め始めたことを物語っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は組織が自らその健全性を確保するため、その組織の構成員とともに自主的に取り組むためのツールの開発・提供することにある。これまで業界の大手企業を含む数社で具体的に診断を実施、そのうちの一社は海外に進出した関係会社への適用についても適用を検討中である。また、この診断結果により構成員のレベルアップにつながる手法も開発し、安全・環境・品質等の生産管理やリスク管理の総合的かつ具体的なシステム改良につながりつつある。 加えて、この手法は企業活動の中核を占める業務分野への適用の可能性が見出されたため、これについて研究を開始し、課題の明確化と検討事項の絞り込みに着手、順調に進んでいる。 この手法は、各方面で注目を集めつつありISO審査機関や企業の経営改善を指導する公的機関等での指導や講習の実施が要請されるに至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で研究・開発し、化学産業等の製造業で効果が確認された「組織の健全性診断システム」について「オフィス力(リョク)」という視点で事務分野への拡張について研究を進め今年度中にはプロトタイプ構築を目指すとともに、構成員個々の「オフィス力」向上を目指しての「オフィス分野のリスクセンス検定」の基本構想をまとめ試行を目指す。 この他、医療分野でも研究協力者とともに基本構想取りまとめに向けて研究を進める。 製造業では実施例を増やすことにより、本手法の社会的認知度の向上、レベルアップ、海外進出企業への適用の可能性を目指すとともに、リスクセンス検定についても設問の多様化と数量の増加を目指して、幅広く活用されることを目指す。 研究成果は年2回の公開シンポジウム等で公表し、広く社会で使用されることを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(4 results)