2011 Fiscal Year Research-status Report
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23510200
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
福原 輝幸 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10156804)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 都市域広域路面温度予測 / 路面温度路線分布 / 航空レーザ測量 / 短波放射量 / 長波放射量 |
Research Abstract |
(1)意義および重要性 都市域の路面は沿道構造物による日射遮蔽、反射、輻射および通過車両による熱的影響を受け易い、都市域広域路面温度予測は、路面温度の著しい空間変化を知る上で重要であり、凍結によるスリップ事故の防止に役立つ。モデルの精度は地形再現精度に依存することから、航空レーザ測量データ(LPデータ)を3次元地形データとして新たに活用する意義は大きい.(2)内容 LPデータを用いて地形および沿道構造物による日射遮蔽、反射および輻射による短波放射量および長波放射量を予測するモデルを構築し、これに車両熱モデルを組み込むことで、都市域対応型広域路面温度予測モデル(以下U-RSTFモデル)を開発した。 U-RSTFモデルの精度を検証するために、福井大学およびその周辺の市街地において計測機器を搭載した車両を3時間毎に7回走行させ、気温、全天日射量、長波放射量および路面温度の路線分布を計測した。また、福井大学屋上に気象ステーションを設置し、気温、相対湿度、風速、雲量、直達日射量、散乱日射量、長波放射量および降水量の定点観測を行った。同時にU-RSTFモデルにより同区間の路面温度路線分布を求めた。その結果、従来の広域路面温度予測モデルと解像度50mの地形データを用いて予測された路面温度の路線変化は、市街地および山岳付近の一部区間で実測値との差が大きくなった。これに対して、解像度5mのLPデータを用いたU-RSTFモデルによる路面温度の路線変化は概ね実測のそれと一致した。ちなみに路面温度の的中率(誤差2℃以内)は、全路線の約90%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)当初の計画通り、福井市内の対象地区のLPデータを用いて日射遮蔽、反射および沿道構造物の輻射の影響を考慮した都市域対応型広域路面温度予測モデルを構築し、車両熱モデルを組み込むことができた。(2)当初の計画通り、福井大学およびその周辺の市街地において野外観測やサーマルマッピングを行い、広域路面温度予測モデルの予測精度を検証するためのデータを収集し、精度検証が可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成23年度に構築した都市域対応型広域路面温度予測モデルによる路面温度の空間的予測精度を向上させるとともに、モデルの汎用性を高める。そのために以下の事項を行う。(1) 高精度な直散分離モデルの開発を行うために、福井大学構内に全天日射計、直達日射計、温湿度計、雲高計および雲量計を設置し、新たな気象観測を実施し、得られた気象データ間の相関を求め、日射の直散分離モデルを開発する。(2) 都市域対応型広域路面温度予測モデルの改良のために、都市域対応型広域路面温度予測モデルに直散分離モデルを組み込む。さらに、ロードヒーティングによるトンネル坑口の路面温度データを収集し,路面温度予測モデルの汎用性を高める。(3) (1)および(2)を基に、都市域対応型広域路面温度予測モデルの精度検証を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
日射の直散分離モデルを構築するために雲高計(約160万円)を、および路面温度データ収集のためにサーモグラフィー(約180万円)をそれぞれ購入し、次年度の目標を達成する。
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