2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23510201
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
谷 明勲 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50155199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山邊 友一郎 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70362762)
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Keywords | 建築構造性能 / 加速度センサ / ジャイロセンサ / 損傷同定 / ワンボードマイコン |
Research Abstract |
平成24年度では,平成23年度の科学研究費補助金による研究成果として,ジャイロセンサを用いた建築構造性能モニタリングシステムに関する内容を,第15回世界地震工学会議(ポルトガル・リスボン)で口頭発表した。さらに,ジャイロセンサを用いた建築構造性能みまもりシステムに関する検討として,ジャイロセンサを用いた各層層間変位の計測に関する検討も引き続き行っており,得られた成果は,平成25年度中に報告予定である。 次に,平成24年度の課題である「建築構造性能みまもりシステムのプロトタイプシステムの構築と実証実験」に関しては,研究室において,加速度センサを用いた建築構造物の常時モニタリング実証実験を開始し,データ収集システムの適用可能性の検討を現在まで継続して行っている。なお,この結果の一部は,日本建築学会第35回情報システム利用技術シンポジウムで報告した。 一方,簡便な性能モニタリングシステムとして,ワンボードマイコンと加速度センサを用いたシステム開発を行い,その適用可能性の検討も行った。ワンボードマイコンを用いたシステムでは計測精度が問題となるが,本研究で提案している簡便な建築性能みまもりシステムに,構築したシステムが適用可能であることを明らかにした。本システムでは,計測した加速度波形から変位応答が算出できる事も示し,平成24年度の課題である「構造損傷同定システムの構築」に関しても基礎的な成果が得られた。この結果についても,得られた成果を平成25年度中に報告予定である。また,このシステムの適用例として,ジャイロセンサとワンボードマイコンを用いた鉄骨梁フランジ破断検出システムついても検討を開始した。 以上のように,平成24年度でも,本研究課題に関して,研究は順調に進んでおり,最終年度に向けた基礎的知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の課題である「建築構造性能みまもりシステムのプロトタイプシステムの構築と実証実験」に関しては,研究室床面に加速度センサを設置し,加速度センサを用いた建築構造物の常時モニタリング実証実験を開始した。このシステムを用いて,データ収集システムの運用に関する検討を現在まで継続して行い,最終年度に実施する実証実験に関する基礎的知見が得られた。 また,平成24年度の課題である「構造損傷同定システムの構築」に関しても,従来実施しているジャイロセンサを用いたシステムだけではなく,ワンボードマイコンと加速度センサを用いたシステム開発を行い,このシステムでも建築構造物の変位応答を算出できることを明らかにし,固有周期変化だけではなく変位応答を用いた損傷同定も可能であることが明らかとなった。 以上のように,平成24年度に設定した本研究課題に関しては,設定した目標を十分達成きたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,最終年度として,これまでに実施した研究成果を基に,構築したプロタイプシステムを用いた常時モニタリングを大学内の建物に複数配置した実証実験を行い,収集されたデータを建築物の構造安全性に関する安心情報として配信できるシステムの構築を行い,一般住民への情報開示方法の検討を行う。 具体的には,まず,構築した建築構造性能みまもりシステムを用いたモニタリング実証実験を行い,その実用性の検討と実用化に向けたシステムの改善を行う。 さらに,本年度導入予定のGISシステムを用いたヘルスモニタリング診断・表示システムを開発し,実証実験で収集された各種モニタリング情報のデータ提示システムとして,情報提示用インターフェースの作製を行う。 以上の成果を踏まえたまとめを行い,簡便な建築構造性能みまもりシステムの,実際の建築構造物への適用可能性について提案を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の研究を実施するために,まず,備品として,情報提示に用いるGISシステムとGISサーバー,およびデータ収集を行うための高速なDBサーバーが必要となる。 また,消耗品として,コンピュータ関連消耗品(記録媒体やプリンタトナー),モニタリングに必要な各種センサ,調査・研究や成果発表のための国内旅費,調査・研究のための外国旅費,実験補助の謝金,成果発表のための外国語論文校閲費,研究成果投稿料,および最終的成果報告の印刷費が必要となる。
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