2011 Fiscal Year Research-status Report
墜落・転倒により人体頭頚部に生ずる衝撃荷重とその保護策に関する研究
Project/Area Number |
23510212
|
Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
日野 泰道 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 主任研究員 (70358422)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 墜落 / 転倒 / 労働災害 / 頭部外傷 / 頚部外傷 / 人体ダミー / 人体衝撃耐性 / 高所作業 |
Research Abstract |
本研究は、建設現場で数多く発生している高所作業中における墜落・転落事故に起因する頭頸部外傷の保護策を検討するため、墜落・転倒現象を再現する人体力学特性を考慮した人体モデルの開発し、同モデルを用いた墜落・転倒実験による人体頭頚部への衝撃荷重効果を検討するものである。 平成23年度においては、(1)人体の力学的特性に関する文献調査、(2)人体衝撃耐性に関する既往の文献整理、(3)人体力学特性を考慮した墜落・転倒用人体ダミーの開発を実施する予定であった。このうち(1)、(2)は、人体ダミーによる実験を実施した後、その安全性を検討するための"物差し"を明らかにするものであり、(3)は自動車乗員の衝突事故時の人体挙動を模擬するために製作された人体ダミーを、平成24年度以降で本格的に行う墜落・転倒実験用の人体ダミーに改良するものである。 人体の力学的特性に関する文献調査および人体衝撃耐性に関する既往の文献整理((1)、(2))では、人体頚部に衝撃荷重が作用した場合の荷重-変形関係を調べた文献を中心に、人体頚部特性のモデル化を試みた。そして本研究で実施する改良型人体ダミーの制作において、その頚部モデル部分にその特性を反映させた。また、防衛医大救急医療部の齋藤教授にインタビューを行い、日本における墜落・転倒事故の主要な傷害部位と損傷の程度についての知見を得た。 人体力学特性を考慮した墜落・転倒用人体ダミーの開発では、上記(1)、(2)の知見を踏まえ、人体頚部の軸剛性を人体に近づけた改良型人体ダミーを設計し、その制作を行った。この改良型人体ダミーを用いて、次年度に予定されている実験を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人体の力学的特性や日本における事故事例(傷害部位・損傷程度と死亡事故発生可能性の関係)などの概要を把握することができた。また次年度以降使用する予定の改良型人体ダミーを設計し、製作することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
予定通り、今年度製作した改良型人体ダミーを用いた墜落・転倒実験の実施、および人体頭頚部の墜落・転倒に対する安全性の評価を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人体ダミーの改良費用が想定以上となったため、当初予定していた人体ダミー落下台の製作費用に不足が生じ、結果的に年度予算に繰越金が生じた。次年度はこの繰越金と次年度予算を合算して、上記実験設備を製作し、予定通り実験研究を遂行していく。
|
Research Products
(1 results)