2012 Fiscal Year Research-status Report
墜落・転倒により人体頭頚部に生ずる衝撃荷重とその保護策に関する研究
Project/Area Number |
23510212
|
Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
日野 泰道 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 主任研究員 (70358422)
|
Keywords | 墜落 |
Research Abstract |
本研究は、建設現場で数多く発生している高所作業中における墜落・転落事故に起因する頭頸部外傷の保護策を検討するため、墜落・転倒現象を再現する人体力学特性を考慮した人体モデルの開発し、同モデルを用いた墜落・転倒実験による人体頭頚部への衝撃荷重効果を検討するものである。 平成24年度においては、①平成23年度に改良を行った人体ダミーを用いた墜落・転倒実験の実施と、②人体頭頸部の墜落・転倒に対する安全性の評価を行う計画であった。①の実験では、人体頭部の重心位置に3軸加速度計、人体頸部に多分力計(6軸測定可能なロードセル)、人体頭部の落下予定位置にロードセルを設置し、頭頸部に作用する衝撃荷重、衝撃加速度の測定を行った。また高速度カメラを用いた落下挙動の撮影を行い、実験パラメータである「落下高さ」「保護具の種類」「保護具の着用方法の違い」「地面の硬さ」「地面に衝突時の人体ダミーの姿勢」による違いを検討した。②の実験結果を踏まえた人体頭頸部の墜落・転倒に対する安全性の評価においては、従来から人体傷害指標として用いられているHIC(Head Injury Criterion)の大きさに関する分析に加えて、頭頸部に対する衝撃荷重の大きさについて分析し、既往の研究により明らかにされている人体頸椎の最大耐力等との関係について明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
改良した人体ダミーを用いた墜落・転倒実験を実施し、落下時の挙動および墜落時の衝撃荷重、HICの大きさなどについて、その概要を明らかにすることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度実施した墜落・転倒実験の結果および人体衝撃耐性値との関係を踏まえ、予定通り、新しい保護具の試作を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は繰越金と次年度予算を合算して、新しい保護具を試作し、その効果について実験的に検証を行っていく。
|