2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23510214
|
Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
大澤 敦 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 電気安全研究グループ, 上席研究員 (20358435)
|
Keywords | 除電 / コロナ放電 / イオン / 電気流体力学シミュレーション / 静電気障災害 / 火災 / 減災 / 品質管理 |
Research Abstract |
本研究の目的は絶縁物のコロナ除電現象を理論的に明らかにすることである。絶縁物では帯電表面電荷と反極性のイオンが到達した部分のみが除電されるため,導体除電とは現象が大きく異なることが予測でき,実際の除電対象物は絶縁物であるので,より現実的な現象を扱うことになる。除電器の性能を評価する標準試験法では,試験の簡便性から帯電物体として導体を用いているが,帯電物体を導体として得られた性能評価結果を絶縁物の除電に適用する場合の妥当性を検討すべきであり,そのためには導体と絶縁物で除電現象の相違を明らかにする必要がある。絶縁物の除電では,イオンの挙動が除電面の反対側にある電荷にも影響されて過除電を起こしたり,さらに被除電物体の面積が大きい,又は,移動している場合は,反対側にイオンが到達するのが困難と推測でき,これらが実際の除電の不具合の原因となっていると予測できる。本研究では,これらのトラブルに対応する除電現象をシミュレートして原因を解明し,除電によるトラブルの解決方法を提供する。 当該年度は,これまでの成果(導体と絶縁物の除電現象の比較,5種の初期表面電荷分布の除電現象;なお,開発コードは被除電物体の表面電荷を除電しているイオンが空間に戻れるようになっていたので,表面で除電後にイオンが消滅する境界流束を考慮したモデルと比較・検討した)を総括し,論文として公表した。さらにシミュレーションにより提案できた交流除電器のオフセット電圧をゼロにする方法を実験により実証し,論文として公表した。一般的な除電方法である被除電物体の片側のみに除電器を配置する場合,除電器側の表面のみが帯電している場合を除いて過除電が除電過程に生ずることが解ったので,解決策として現在実施中の両面同時又は横からの除電(問題が生じないか確認する)及び,ローラ搬送フィルムの除電のシミュレーションの成果は論文にて公表する予定である。
|
Research Products
(7 results)