2014 Fiscal Year Annual Research Report
フィールドサーバによるリアルタイム降灰観測手法の開発
Project/Area Number |
23510224
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
古川 竜太 独立行政法人産業技術総合研究所, 活断層・火山研究部門, 主任研究員 (60357928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 輝樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 活断層・火山研究部門, 主任研究員 (10435761)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 火山灰 / 自立観測 / レーザ回折 / 超音波センサ / 太陽光発電 / ネットワーク / 粒子カウンタ / 火山 |
Outline of Annual Research Achievements |
自動降灰観測装置のセンサ部分の検証および高度化を進め,新型機の設計開発と実地テストを実施した.火山灰検出のためのセンサ部としてレーザ回折型粒子カウンタの検証を行った.2014年9月27日から発生した御嶽山の噴火で周辺地域において取得されたレーザ回折型粒子カウンタによるデータを解析し,降灰と判断される花粉センサ値の変化は 2g/m2 以上の降灰量のあった範囲で認められた.よって実地調査で確認された降灰域より狭い範囲でしかレーザ回折型粒子カウンタの値は変化しない結果となった.レーザ回折型粒子カウンタで捉えられた火山灰粒子は電圧値と偏光度から概ね粒径 35 μm 以下で,偏光度は 0~0.2 程度であり,円形とはかけ離れた形をなすものが主体であった.この結果を踏まえて,新たに火山灰観測装置を設計・開発した.装置は火山灰検出センサとして超音波センサと重量計,および状況を確認するためのネットワークカメラからなるセンサ部,バッテリと太陽光発電パネルからなる給電部,およびロガーを含む制御部からなり,半年以上メンテナンスフリーで自立観測を行うことが可能な電力消費スケジュールを設定とした.今回新たに採用した超音波センサは地表面とセンサの距離を測定して,火山灰の堆積厚を測定することを企図した.2015年1月末から3月まで桜島火山で装置の実地テストを行い,長期稼働および噴火による降灰の検出試験を検証した.その結果,ブルカノ式噴火による降灰の重量および画像の取得,ネットワーク送信は期間中問題なく稼働し,実用可能なレベルと判断される.新たに導入した超音波センサによる堆積厚は検証期間中の2ヶ月間で約3cm変化し,実際の降灰堆積厚変化とほぼ同じであった.機器全体を小型軽量化したことにより,火山の火口近傍などでの観測が可能になった.
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