2011 Fiscal Year Research-status Report
首都圏における積乱雲に伴う突風現象の動態に関する観測的研究
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23510232
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
小林 文明 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 応用科学群, 教授 (80202068)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 突風 / 竜巻 / ダウンバースト / ガストフロント / ドップラーレーダ / 積乱雲 / ファーストエコー |
Research Abstract |
初期の積乱雲や竜巻・ダウンバースト/ガストフロントなどの挙動は、写真やビデオなどの映像機器を用いてリアルタイムに捉える必要があるが、何時何処で発生するか分からない突風現象を観測するのは容易ではない。本年度は、まず南関東における夏季積乱雲の発生状況をこれまでのレーダー観測データから分析し、ファーストレーダーエコーの出現特性をまとめた。また、房総半島における積雲発生場所の検討を実施した。 さらに、既存のドップラーレーダー、ドップラーソーダ、地上観測測器、カメラ、ビデオ等を用いて、7月~9月の夏季期間中、特に梅雨明けの7月後半から8月前半にかけて、実際の積乱雲の発達過程を捉え、積乱雲の発生とレーダーエコーとの関係、積乱雲の鉛直成長速度の直接観測、ファーストエコーの発生時刻と高度などを求めた。 観測者による撮影と平行して、24時間365日自動で広範囲を観測できるカメラは有用であり、屋外設置型の全天候対応の監視カメラの機種選定を行った。ただし、本校物品購入手続きに従い、入札を行ったが、当該物品の入札は不調に終わったため、本年度における購入には至らなかった。積乱雲および積乱雲から発生する竜巻などの微細構造を捉えるためには、同時に複数台の画像データが必要となる。そこで、東京、横浜、千葉などの都市周辺をカバーし、かつ房総半島までを含んだ地域におけるおける積乱雲発生の全容を把握することが可能となるシステムの構築を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去のデータ分析(これまでのレーダー観測データに基づくファーストレーダーエコーの出現特性)、および既存の機器(ドップラーレーダー、ドップラーソーダ、地上観測測器、カメラ、ビデオ等)を用いた実観測(7月~9月の積乱雲の発達過程)を実施できた。また、積乱雲発生の全容を把握するための新たな監視カメラシステムの構築を実施した。以上の点は、当初の研究計画に沿ったものである。
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Strategy for Future Research Activity |
24時間365日自動で広範囲を観測できる監視カメラの購入を行い、他のビデオ、カメラ等の測器と連動させ、積乱雲監視システムの構築を行う。このシステムを用いて、夏季の積乱雲を対象に集中観測を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
全年度入札が不調に終わった、24時間365日自動で広範囲を観測できる監視カメラの購入を行う。また、ビデオ、カメラも購入し光学機器の充実を図る。調査旅費、打ち合わせ、資料収集、学会等の旅費にあてる。その他、論文校正、投稿料、データ購入費を使用する予定である。
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Research Products
(8 results)