2012 Fiscal Year Research-status Report
ユビキチン鎖連結パターンに着目した基質蛋白質の網羅的同定・分類
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23510233
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 一寿 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00322727)
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Keywords | ユビキチン / プロテオミクス / 出芽酵母 / 質量分析計 |
Research Abstract |
蛋白質のユビキチン化修飾では、修飾される事自体に加えて、その修飾様式が基質蛋白質の運命決定に重要な意味を持つ。先ず(マルチプル)モノユビキチン化なのかポリユビキチン化なのかという事が重要な点で、次にポリユビキチン化の場合はどのLys残基で連結した鎖なのか(連結パターン)も考慮すべきである。しかし、修飾様式と基質蛋白質(及びその後の運命)の対応付けは、一部の基質を除きほとんどなされておらず、修飾様式側からの網羅的な視点が欠落した状況にある。そこで私は独自に開発したポリユビキチン化基質蛋白質の効果的濃縮・同定法(PAP-MS)と蛋白質の系統的絶対定量解析法(PCS-MS)を用いてユビキチン鎖の連結パターンに基づく基質蛋白質の網羅的解析と詳細な定量解析を行うことを目的とし、研究期間内の到達目標として以下の3項目を掲げた。 1)7種類のmono-K Ubを用いて出芽酵母のPAP-MS解析を行い、連結パターン毎の基質候補リストを作成する。それぞれの代表的な基質に対してはPCS-MSによる確認作業を行う。 2)外的刺激時(プロテアソーム阻害薬添加、セリンプロテアーゼ阻害剤添加、DNA障害、熱刺激時)において、1)と同様の解析を行う。 3)上記データから各連結パターンの持つ意義を考察し、遺伝学的・生化学的手法により証明する。 現時点までの実績として、A)代表的な連結部位であるLys48とLys63に関して実際にPAP-MS解析を行い、それぞれに特徴的な基質を同定した。B)脱ユビキチン化酵素欠損変異体を用いてそれぞれの連結パターンの定量解析を行った。C)同一ユビキチンモノマー内に二か所以上の連結部位を持つような非典型連結パターンを示すユビキチン鎖の解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表的な連結部位であるLys48とLys63に関しては現行法のPAPである程度のユビキチン鎖が得られ、MS解析まで行えたが、その他の連結部位に関しては十分な収量が期待できない状況である。脱ユビキチン化酵素欠損変異体の利用など様々な工夫をしているが今のところ目覚ましい改善はみられていない。 昨年度に引き続き、本申請の派生テーマである非典型連結パターンをもつユビキチン鎖の解析に労力を割いてしまったが、本申請の完遂に必要な作業だと認識している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、外的刺激時(プロテアソーム阻害薬添加、セリンプロテアーゼ阻害剤添加、DNA障害、熱刺激時)に特異的に蓄積するユビキチン化基質タンパク質を連結パターン毎にリストアップすることを目標とする。Lys48とLys63以外の連結ポイントに関しては、収量を増加させる工夫を引き続き行っていくが、次善の策としてLys48Arg+Lys63Arg変異体を用いてマイナー連結部位を一括して解析する事も検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質量分析器を用いた定量解析が中心となるため、大量の安定同位体標識アミノ酸が必要となり、その購入費用が研究費の大部分を占める予定である。
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Research Products
(1 results)