2012 Fiscal Year Research-status Report
異常スプライシングRNAの網羅的同定とその意義の解明
Project/Area Number |
23510234
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 博 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00187048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 邦夫 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40252415)
中井 謙太 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60217643)
鈴木 穣 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (40323646)
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Keywords | 線虫 / 異常スプライシング / 生殖細胞 / 性決定遺伝子 / 細胞質スプライシング / RNA品質管理 |
Research Abstract |
本研究は、線虫及びヒト癌細胞における異常スプライシングRNAを網羅的に同定し、その生成機構を明らかにするとともに、異常スプライシングのヒト癌発症機構における意義を解明することを目的としている。研究開始初年度の平成23年度において異常スプライシングの原因のひとつとして、細胞質スプライシング酵素であるIRE-1による機構があることを明らかにしたが、この細胞質スプライシングが起きる前提として、イントロンを含む前駆体RNAが細胞質に漏出することがある。この原因を詳細に解析することによって、研究開始2年目である平成24年度においては、以下の研究成果をあげることができた。Y14及び数種類のEJCサブユニットがpre-EJCを形成し、U2 snRNP構成因子SF3bやIBP160, PRP19, CWC22などのスプライシング因子と相互作用することによってイントロン配列にリクルートされる。このpre-EJCと特定のスプライシング因子の相互作用状態が核内の何らかの因子によって認識され、イントロンを含む前駆体RNAが細胞質に輸送されることを防止している。以上の知見は、EJCが核内RNA品質管理機構において重要な役割を果たしていることを示している。これらの知見は、平成25年1月に国際学術雑誌であるMol. Cell. Biol.誌に公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度においては、Y14阻害による未スプライシングRNA漏出機構を詳細に解析することとした。研究実績の概要にも記載したように、Y14を含めたEJC中核因子が特定のスプライシング因子と相互作用することを遺伝学的、分子生物学的に明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
スプライシングを受けた後にmRNA上に形成されるEJC構成因子のY14及びその他の中核因子が、特定のスプライシング因子と相互作用し、その結果、スプライシングを受ける前のイントロンを含むRNAが核内に繋留されることが判明したので、今後は関与するスプライシング因子の作用機構や核内繋留に直接関与する因子の同定を行い、核内RNA品質管理機構の全容を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に繰り越して使用する経費が約123万円あるが、この大部分は研究計画最終年度である平成25年度に多量に必要となる分子生物学的、生化学的実験用消耗品の購入に充てる予定である。また、研究進展の状況次第ではあるが、平成25年度内に本研究課題に関する2報目の論文を出す可能性があり、その際の投稿料にも使用する予定である。
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Research Products
(3 results)