2013 Fiscal Year Annual Research Report
異常スプライシングRNAの網羅的同定とその意義の解明
Project/Area Number |
23510234
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 博 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00187048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 邦夫 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40252415)
中井 謙太 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60217643)
鈴木 穣 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (40323646)
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Keywords | 線虫 / 異常スプライシング / 生殖細胞 / 性決定遺伝子 / 細胞質スプライシング |
Research Abstract |
本研究は、線虫及びヒト癌細胞における異常スプライシングRNAを網羅的に同定し、その生成機構を明らかにするとともに、異常スプライシングのヒト癌発症機構における意義を解明することを目的としている。研究開始初年度の平成23年度において異常スプライシングの原因のひとつとして、細胞質スプライシング酵素であるIRE-1による機構があることを明らかにしたが、この細胞質スプライシングが起きる前提として、イントロンを含む前駆体RNAが細胞質に漏出することがある。この原因を詳細に解析することによって、最終年度である平成25年度においては、以下の研究成果をあげることができた。線虫IRE-1による試験管内細胞質スプライシング系を構築するために、線虫IRE-1を発現ベクターにクローニングし、GST融合タンパク質を精製することに成功した。また、線虫におけるRNAの核外輸送機構について解析を進めた結果、mRNAの核外輸送においてNXF-1が輸送受容体として働き、U snRNAの核外輸送においてCRM-1が輸送受容体として働くことを示唆する結果を得た。さらに、SRタンパク質リン酸化酵素SPK-1がトポイソメラーゼ遺伝子の選択的スプライシングを制御することを明らかにするとともに、SPK-1の異常が生殖細胞の増殖停止を引き起こすことを明らかにした。この結果は、生殖細胞における有糸分裂から減数分裂への移行過程においてスプライシング制御が重要な役割をもつことを強く示唆している。
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Research Products
(7 results)