2012 Fiscal Year Research-status Report
放射性ヨウ素と質量分析による感染性細菌プロテアーゼの免疫細胞上の標的分子の同定
Project/Area Number |
23510243
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
入江 厚 熊本大学, 生命科学研究部, 講師 (30250343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 隆寿 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (20176499)
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Keywords | 放射能標識 / プロテオミクス / 二次元電気泳動 / 免疫細胞 / スタホペイン / 黄色ブドウ球菌 / 免疫逃避機構 / 質量分析 |
Research Abstract |
黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureusが放出するシステインプロテアーゼのスタホペインにより、免疫系の機能に関わる免疫細胞表面分子が切断され、宿主の免疫系から本菌が逃避する可能性が指摘されている。その免疫抑制機構を解明し、黄色ブドウ球菌感染症の予防法および治療法の開発に資するために、スタホペインの標的となる、免疫細胞(単球、好中球およびT細胞)の細胞膜上の機能タンパク質を、放射性同位元素を用いる放射能標識と、二次元ゲル電気泳動および質量分析計を駆使することにより、網羅的に解析、その中から免疫細胞の細胞表面に発現するタンパク質で、同菌の排除に関わると考えられるものを同定することを目的とする。 昨年度は、細胞表面タンパク質を放射性ヨウ素と触媒により、温和に放射能標識した健常人末梢血好中球、単球、およびヒトT細胞株Jurkatを2等分し、スタホペイン処理および無処理の試料をそれぞれ二次元ゲル電気泳動に供し、両者の間でスポットの差異を認めた。当初の予想よりも、タンパク質量、放射能ともにやや量が少なく、また細胞種のちがいにより、至適放射能標識条件が異なるため、標識時間、使用する放射比活性、およびヨウ素化の触媒を変えた種々の条件で検討を行った。また、アクリルアミドゲル内のタンパク質を転写したPVDF膜を、放射能が下限数量以下であることを確認の上で管理区域より持ち出し、指定のエリアでRIの管理区域外使用を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健常人末梢血より調製した好中球または単球、およびヒトT細胞株Jurkatを用いて、それらの細胞表面タンパク質を放射性ヨウ素でRI標識し、二次元電気泳動を行なった。スポットの数およびタンパク質の回収量を。改善するための、さらに良い条件を探索中である。また、細胞種による至適標識条件等の検討も現在行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
質量分析計で十分に標識タンパク質を同定できるための、放射能標識法およびタンパク質回収法を検討し、免疫細胞表面のスタホペイン基質を同定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(18 results)