2012 Fiscal Year Research-status Report
核内構造体パラスペックル形成の分子機構・核内分布様式と生理機能
Project/Area Number |
23510247
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 保典 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディシナル情報研究センター, 主任研究員 (30312242)
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Keywords | 核内構造体 / パラスペックル / ノンコーディングRNA / ゲノム |
Research Abstract |
②-1パラスペックル(PS)形成の分子機構 マウスNIH3T3細胞にヒトBACを導入することにより、マウス細胞中でヒトNEAT1 RNAを異所発現し、内在性PSに加えて、外来性PSを形成するヘテロな系を構築した。内在性PSと外来性PSは常に独立して存在し、PS間でシャトルしないことが示唆された。そこで、マウスNIH3T3細胞をフルオロウリジン(FU)とエチニルウリジン(EU)とで二重標識する新しいパルスラベル法を開発して、PS間のRNAの移動を観察したところ、内在性マウスPS同士においてさえRNAのやり取りが見られず、単一のパラスペックル顆粒内がFUラベルされた区画とEUラベルされた区画に分かれていた。一方、FUとEU同時ラベルの場合を除き、二重標識されたパラスペックルは観察されなかった。このことは転写と共役したPS形成モデルを強く支持し、新たに転写されたRNAが既存のPSに供給されないことを意味する。 ②-2 PSの核内分布様式と標的の同定 PSはNEAT1座位上で形成されることを踏まえ、パラスペックルと相互作用する遺伝子座位の核内分布様式を検討した。上記のヘテロな系では、マウスNEAT1座位は19番染色体上にあり、ヒトNEAT1は4番染色体上にある。他方、プロテアソーム阻害剤MG132を添加するとPSが巨大化することが知られている。上記のヘテロな系において、MG132がPS形成並びに核内分布様式に与える影響を調べたところ、マウスPSとヒトPSが独自に巨大化した。さらに、無添加時には核内で離れたところに分布していた内在性マウスNEAT1座位と外来性ヒトNEAT1座位が、しばしば近接していた。この現象はPS巨大化を介して起きていると考えられる。そこでPSに近接する他の遺伝子座位同士が、PS巨大化(を誘引する生理条件下)に伴い、核内で近傍に集積する可能性がでてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
②-1パラスペックル(PS)形成の分子機構 に関しては、十分な進捗が得られているので論文発表の準備を始めた。 ②-2 PSの核内分布様式と標的の同定 に関しては、依然として当初の計画より遅れている。前年度は、競合する海外の研究者から、極めて似たアイデアによる研究成果の報告がなされたことを受け、研究戦略の修正を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
独自に開発した、ヒトNEAT1を異所発現するマウス細胞というヘテロな実験系、及び、RNA二重標識による新しいパルスラベル法を用いて、転写に共役したパラスペックル形成の分子機構解析を25年度内に完了する。 パラスペックル近傍に集積するゲノム領域の情報の網羅的解析は、競合他者とは異なる視点でデータ取得に努める。特に、ディープシーケンシングデータの解析は、これまでも共同研究の実績がある産総研内のインフォーマティシャンと進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
パラスペックル形成の分子機構をより協力なイメージング手法で解析する。そのために、他のグラントで解析システムを整備しつつある。そのシステムを蛍光蛋白質CFP用のミラーユニットを加えて、三色の蛍光で観察できるようにアップグレードする。 パラスペックル近傍に集積するゲノム領域が濃縮されたライブラリー作製。ならびにその配列情報取得・解析のために研究費を使用する。
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