2014 Fiscal Year Annual Research Report
食品成分のインバース分析法を核とする生理活性物質創製スキームの構築
Project/Area Number |
23510252
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
二瓶 賢一 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (10307209)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ポリフェノールオキシダーゼ / ポリフェノール / 配糖体 / 阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然界に広く分布するポリフェノールオキシダーゼ(PPO)は,様々なフェノールをキノンへと酸化する反応を触媒する.生成したキノンは還元剤の働きにより,安定なジフェノールへと変換される.本研究では,PPOによる酸化反応の解析,PPOによる天然ポリフェノールの酸化生成物の単離・構造決定,その酸化生成物が天然に存在することの検証および生理活性評価を行うことにより,新しい天然生理活性物質を開発することを目的とする.特に,酵素反応生成物の構造予測と基質や生成物の化学合成・構造解析を核に,天然ポリフェノールのPPO酸化生成物の単離・構造決定およびその酸化生成物が天然に存在することの検証の2段階からなる「インバース分析法」の確立を目指す.
本年度は,メグスリノキ成分であるエピロドデンドリンとそのエピマーであるロドデンドリンに着目し,それらの化学合成,PPOによる酸化過程の追跡,酸化生成物の単離・構造決定,酸化生成物の生理活性評価および酸化生成物の天然物としての検証を行った.その結果,エピロドデンドリンおよびロドデンドリンの酸化生成物の構造決定と化学合成を達成し,それらが抗酸化性を示すことを明らかにした.またエピロドデンドリンの酸化生成物については,天然物としてメグスリノキ抽出物中に含まれることをHPLCを用いて確認した.さらに,ツバキ科植物から単離・構造決定されたポリフェノール成分であるジヒドロレスベラトロール配糖体を化学合成し,それらがメラニン形成過程の阻害剤もしくは活性化剤として働くことを明らかにした.
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