2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23510260
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
上田 純一 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40109872)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 健助 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (10209942)
長谷川 宏司 筑波大学, 生命環境科学研究科, 名誉教授 (70094167)
|
Keywords | 国際情報交換 / オーキシン / オーキシン極性移動 / 植物ホルモン / 植物生理活性物質 / 生物検定法 / 構造決定 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
昨年度の研究を継続して実施した。新規オーキシン極性移動制御物質の探索を継続するとともに、当該研究によって見いだされた新規オーキシン極性移動阻害物質、特にartabolideの作用機構を分子レベルで解析した。その結果、ビャクジュツ(Atractylodes macrocephara)に新規オーキシン極性移動阻害物質の存在が示唆され、現在分離、精製実験を継続中である。また、申請者によって確立されている黄化Alaskaエンドウ芽生えを用いたオーキシン極性移動の作用機構解析システムにおいて、artabolideが黄化Alaskaエンドウ芽生えにおけるオーキシン極性移動関連遺伝子(PsPins)の発現を阻害する結果が得られた。さらにartabolideが黄化Alaskaエンドウ芽生え上胚軸細胞に対して細胞毒性を示さないことを、2’,7’-dichlorofluorescein diacetateの細胞内エステラーゼ作用による2’,7’-dichlorofluoresceinへの変換によって確認することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
天然型新規オーキシン極性移動制御物質を探索した結果、現在まで新規化合物であるartabolideをはじめとして複数の化合物を同定することに成功している。しかしながら、それらの作用機構についてはサンプル量が少ないこともあり、十分に解明されたとは言いがたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
残された時間を有効に使いながら、天然型新規オーキシン極性移動制御物質の探索実験を継続するとともに、既に同定、構造決定された化合物の作用機構解明を重点的に取り組みたい。特に、新規オーキシン極性移動制御物質の作用機構を、遺伝子発現に対する影響、遺伝子発現産物の細胞内動態の側面よりの解析を目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
過去3カ年の研究において、Artemisa absinthiumやSaussurea costusおよびArctium lappaから、天然型新規オーキシン極性移動阻害物質として4-hydorxy-β-thujone, artabolideやdehydrocostus lactoneが単離、構造決定された。一方、これらの化合物が示すオーキシン極性移動阻害機構については未だ明確にすることができず、さらにAtractylodes macrocephalaにも新規オーキシン極性移動阻害活性の存在が明らかとなっている。これら取り残された問題解決のために当該研究期間を1カ年延長したので、助成金に次年度使用額が発生した。 過去3カ年の研究によって明らかにされた新規オーキシン極性移動阻害物質の作用機構を分子レベルで解析するための実験費およびAtractylodes macrocephalaに含まれる新規オーキシン極性移動阻害活性物質の単離、構造決定のための研究費に充当したい。
|
Research Products
(16 results)