2013 Fiscal Year Annual Research Report
金属イオン結合およびレドックス制御における亜鉛フィンガータンパク質の構造と機能
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23510266
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
根木 滋 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (50378866)
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Keywords | 蛋白質 / DNA / 亜鉛フィンガー / 人工蛋白質 / 人工ヌクレアーゼ / 酸化還元 / 転写因子 / 金属イオン |
Research Abstract |
本年度の研究において、1つのフィンガードメインからなるGAGA ZFPの亜鉛イオンをコバルトやニッケルイオンに金属置換した金属フィンガータンパク質を創製し、それらのDNA結合能、酸化剤であるdiazenedicarboxylic acid bis(N,N-dimethylamide) (ジアミド)を用いた酸化反応および触媒機能について検討を行った。GAGAと各金属イオンとの結合定数をCD滴定から求めた結果、Zn(II)>Co(II)>Ni(II)の順となった。構造解析およびDNA結合実験の結果も併せて考えてみると、金属フィンガーを作製することによりフォールディング構造やDNA結合能は類似しているが、配位結合の安定性が異なるフィンガードメインを作製することができたと考えられる。次にこれら金属置換体に対して酸化実験を行ったところ、いずれの場合も、還元型の時に有していた金属配位能や構造誘起能を失い、それに伴ってDNA結合能も失われた。また酸化反応性の高さは、アポ>Ni(II)>>Co(II)>Zn(II)の順になった。酸化反応性の結果と配位結合の安定性には相関性があり、安定な配位結合が形成されることによりCys残基のSH基の酸化が抑制されていることが分かった。つまり、ZFPの酸化反応性のコントロールに金属配位部位の構造や安定性が関与していることが示唆された。上記の研究成果は国内外の学会ですでに発表しており、GAGAの金属置換に関する研究については現在投稿中であり、この成果は本研究の立案に非常に重要かつ有益なものである。
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