2014 Fiscal Year Annual Research Report
インビボイメージングを用いた経口投与可能なプロテアソーム阻害剤の開発
Project/Area Number |
23510270
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
百瀬 功 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所・沼津支所, 主席研究員 (10270547)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | プロテアソーム阻害剤 / インビボイメージング / 経口投与 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、多発性骨髄腫等の治療薬として臨床で用いられているプロテアソーム阻害剤は全て注射剤であり、患者のQOL向上のため新しい経口投与可能なプロテアソーム阻害剤が求められている。本研究はこのような問題を解決するために、インビボイメージングを用いて効率的に経口投与可能なプロテアソーム阻害剤を開発することを目的とする。まずマウス腫瘍内プロテアソーム阻害活性を測定可能なインビボイメージング方法を開発した。すなわちプロテアソーム分解性蛍光タンパク質を発現するヒト大腸がんRKO(RKO-PS3)細胞を作製し、この細胞をヌードマウスの鼠蹊部皮下に移植した。腫瘍内のプロテアソームが阻害されると蛍光タンパク質が蓄積し非侵襲的にインビボイメージングで測定でき、従来のモデルは実験を実施するために約4週間を要していたのに比べて本モデルは2週間で実施できるため大幅な時間の短縮を達成した。一方で、以前に我々は一放線菌Kitasatospora sp.株の培養液より新規プロテアソーム阻害剤チロペプチンを発見し、本阻害剤をリード化合物として数十種類の誘導体を合成した。本年度はこれらのチロペプチン誘導体の腫瘍内プロテアソーム阻害活性をインビボイメージングを用いて測定した。RKO-PS3細胞をマウスの皮下に移植し、腫瘍が一定の大きさになったところでチロペプチン誘導体 50 mg/kgを経口投与した。投与24時間後にマウスのインビボイメージングを行ったところ、一部の誘導体が腫瘍内に蛍光タンパク質を蓄積することが確認できた。これらの誘導体の用量応答性を確認し、特に高活性の誘導体については多発性骨髄腫細胞を用いた抗腫瘍活性を測定した。その結果、数種の誘導体が経口投与により抗腫瘍活性を示し、目的とする化合物を得ることができた。現在、一部の誘導体を再合成しており、今後それらの抗腫瘍活性の測定から活性の高い化合物を選択し、開発に向け研究を進めていく予定である。
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[Journal Article] Quinofuracins A-E, produced by the fungus Staphylotrichum boninense PF1444, show p53-dependent growth suppression.2015
Author(s)
Tatsuda D, Momose I, Someno T, Sawa R, Kubota Y, Iijima M, Kunisada T, Watanabe T, Shibasaki M, Nomoto A.
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Journal Title
J. Nat. Prod.
Volume: 78
Pages: 188-195
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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