2013 Fiscal Year Annual Research Report
後続バイオ医薬品開発を目指した環状化サイトカインの分子設計と合成
Project/Area Number |
23510273
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
本田 真也 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 副研究部門長 (50344122)
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Keywords | 蛋白質 / 蛋白質工学 / バイオ医薬品 / バイオテクノロジー / 分子設計 |
Research Abstract |
本研究の目的は、バイオ医薬品として認可済みのサイトカインタンパク質の生体内安定性を向上させた後続バイオ医薬品の開発を目指して、同タンパク質を構成するポリペプチド主鎖の両末端を連結した環状化サイトカインを合成し、その機能と構造に関するin vitro分子特性を解析することである。平成23、24年度は、「(1)連結配列設計プログラムの開発」、「(2)スプリットインテイン融合タンパク質発現ベクターの構築」、「(3)野生型サイトカインの合成と精製」、「(4)環状化サイトカインの合成と精製」、および「(5)環状化サイトカインのレセプター結合活性の測定」を実施した。平成25年度は、以下の3項目を実施した。「(6) 環状化サイトカインの熱安定性解析」では、円偏光二色性測定器を用いて試料溶液の温度を一定速度で昇温し、得られた熱変性曲線を解析した。熱変性温度と変性エンタルピーを定量的に評価したところ、サイトカインの立体構造が環状化により安定化していることを明らかにした。「(7) 環状化サイトカインの細胞増殖活性の測定」では、細胞増殖活性はNFS-60細胞を用いてアッセイし、ロジスティック回帰により各々の試料のEC50値を算出したところ、環状化サイトカインが活性な状態を維持していることを確認した。「(8) 環状化サイトカインのプロテアーゼ分解耐性解析」では、一定量のエキソプロテアーゼと混合したときの試料の残存量を測定して、サイトカインのプロテアーゼ分解耐性が環状化により向上していることを明らかにした。以上のin vitro分子特性解析により、期間全体を通じた研究成果として、環状化サイトカインのレセプター結合活性および細胞増殖活性は野生型と同等であり、かつその構造安定性とプロテアーゼ分解耐性は野生型より優れたものであることが明らかにした。これは、当該分子が後続バイオ医薬品として有望な創薬シーズであることを示すものである。
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Research Products
(20 results)