2013 Fiscal Year Annual Research Report
微小電力を駆動力とした微生物酵素によるアゾ分解反応系の開発
Project/Area Number |
23510275
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
木島 龍朗 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (50272084)
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Keywords | フェロセン修飾補酵素 / NAD / アゾ還元酵素 / フェロセン / 補酵素再生系 |
Research Abstract |
本研究では『電極における補酵素再生システムを有するアゾ分解酵素反応系の開発』を目的として1)フェロセン修飾補酵素の合成 2)修飾補酵素の活性評価 3)補酵素再生系を有するアゾ分解反応系の最適化の検討を行った。まずフェロセン修飾補酵素は、NADのアデニン環N6位にフェロセンを1炭素鎖で導入,3炭素鎖で導入,4炭素鎖で導入した2つの誘導体の計4タイプの合成に成功した。得られた修飾補酵素は、NAD依存性酵素のアルコール脱水素酵素,乳酸脱水素酵素,グルコース脱水素酵素,アゾ還元酵素にて、それぞれの酵素反応での補酵素活性を調査し、フェロセン導入後も大きな活性の低下や酵素活性部位における立体障害,阻害効果が認められないことを明らかにした。さらに目的の補酵素再生系によるアゾ分解反応系を構築するために、アルコール脱水素酵素を補酵素再生酵素として利用する2酵素カップリングによるアゾ分解を行い、メチルレッドやメチレンブルーなどのアゾ色素分解を確認した。これらの結果を踏まえて、電極を用いた補酵素再生系によるアゾ分解反応系の検討を行った。まずフリーの酵素および修飾補酵素を用いてメチルレッドの分解検討を行ったが、どの修飾補酵素においても反応の進行を確認することは出来なかった。そこで固定化電極として検討を行うために、新たにフェロセン誘導体とNADをアリルアミンモノマーに結合させ、重合することで新規に固定化(ポリアリルアミン/フェロセン/NAD)電極を得て、アゾ還元酵素によるメチルレッドの分解検討を行ったが、反応の進行を確認することは出来なかった。以上、本研究目的の電極を用いた補酵素再生系は未だ構築できていないが、本研究検討過程において得られた2酵素カップリングによるアゾ分解反応は、カップリングさせる酵素を変えることで、色の変化でわかる新規バイオセンサーに応用展開できることが明らかとなり、現在研究が進展している。
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